1998 Fiscal Year Annual Research Report
混合液の沸騰における沸騰条件の生成蒸気濃度に及ぼす影響
Project/Area Number |
10650204
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宇高 義郎 横浜国立大学, 工学部, 教授 (50114856)
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Keywords | 沸騰 / 混合液 / 蒸気濃度 / 気泡 / 凝縮 / 物質伝達 |
Research Abstract |
気液二相サイクルの高効率化あるいは作動媒体の多様化などを目的として非共沸混合媒体の相変化特性を有効に用いるサイクルの利用が計られてきており、混合媒体の気液相変化過程の特性の把握が重要である。混合媒体の相変化過程の熱伝達特性およびサイクル特性を決定する条件の一つである気液の濃度条件、すなわち実際の熱・物質移動を伴う相変化サイクル場における液相濃度と蒸気相濃度の関係についてこれまで詳細な研究は行われていない。本研究では、非共沸混合液体の沸騰過程における沸騰条件が生成蒸気生成に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。すなわち、水-エタノール混合液およびエタノールアセトン混合液の2種類の作動流体を用いた細線群からの飽和プール核沸騰系において液相上部の生成蒸気濃度測定を種々の伝熱面過熱度および蒸気濃度について行った。混合蒸気の濃度測定には物理的原理の異なる2種類の方法を用いた。すなわち、蒸気の露点と既知の気液平衡関係による露点測定法と、ヘリウム・ンエオン赤外レーザー光の炭化水素系気体への吸収性質を利用するレーザー光吸収法の2種類の濃度測定法により測定の信頼度を高めた。その結果は以下のようにまとめられる。 1. 露点法とレーザー吸光法の結果は互いに良好な一致を示し、本研究における濃度測定は十分な信頼性を有していることを示した。 2. 本測定の系および実験条件においては、混合液上方の沸騰により生成するバルク蒸気層中の混合蒸気濃度は、伝熱面過熱度、プール液層高さなどの沸騰条件には依存せず、バルク液と平衡していることを明らかにした。
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