1998 Fiscal Year Annual Research Report
水素火炎ジェット点火法を応用した次世代エンジンの基礎研究
Project/Area Number |
10650206
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
若井 和憲 岐阜大学, 工学部, 教授 (50021621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 俊介 豊田工業高等専門学校, 講師 (80270271)
高橋 周平 岐阜大学, 工学部, 助手 (40293542)
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Keywords | Internal Combustion Engine / Hydrogen / Flame Jet / Pumping Loss / Ignition / Rapid Compression Machine |
Research Abstract |
2ヶ年計画のH10年度は、最初にもっとも重要な水素-空気火炎ジェットを急速圧縮された高温高圧場に噴出できるキャビティーを製作した。直径3mm程度のノズル前後で数十気圧に上る圧力差が発生し、キャビティー体積はわずか1cc程度であるためほんの少しでも漏れが発生すると全く意味がなくなること、閉じるバルブは数msで開閉できなくてはならないことなどの過酷な条件から、その製作には難航を極めたが、夏には満足できる性能を発揮するようになった。 予算が下りるとともに、備品として申請していた化学発光式NOx計を入手し、そのバッチ処理方式を確立すべく、検討した。ある程度、不安定な場合を発生するがおおむね良好なデータを提供できる方法が11月ごろには完成し、新しい世代のエンジンには欠くことのできない低NOx化のチェックができるようになった。 以後、メタンを燃料とした場合の(1)圧縮自着火、(2)通常火花点火、(3)プラズマジェット点火、そして本命の(4)水素-空気火炎ジェット点火の4つについて、それぞれどの程度圧縮して高温にすれば点火できるかについて、調べた。その結果、当量比が0.6以下の主室混合気に対し、今回用いた急速圧縮機の限界圧縮比22まで上げても、(1)(2)(3)についてはたとえ反応を開始することができても、十分な燃焼速度を得ることはできないこと、(4)を用いれば当量比0.31まで急速な燃焼を開始させることが可能なことを示した。この0.31は筒内噴射エンジンが達成している空燃比45と同等であり、均一燃焼でポンピング仕事無しのエンジンが実現できる可能性を示したことになる。今後さらに希薄な場合について、今後調べる予定である。 これらの結果の一部を、今年ソウルで開かれる日韓合同内燃機関シンポジウムにて発表することになっている。
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