1999 Fiscal Year Annual Research Report
メタノール水溶液物性の精密測定とその組成依存性の解明
Project/Area Number |
10650223
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上松 公彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051721)
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Keywords | メタノール / メタノール水溶液 / PVT性質 / 沸点圧力 / 飽和液体密度 / 非理想性 / 過剰モル体積 / 高圧物性 |
Research Abstract |
地球温暖化ガスである二酸化炭素の回収・固定や水素燃料の輸送・貯蔵などの有力な手段として注目されているメタノールおよびメタノール水溶液は,有力な自然冷媒の一つであり,新発電方式の作動媒体としての利用も提唱されている.これらの新技術の実用化には熱物性値情報が必要不可欠な基盤的情報である. 本研究では、金属ベローズ変容法により等温場における組成既知の混合流体についてその密度の圧力による変化を測定し,メタノール水溶液のPVT性質などの実測値を得た.測定に使用したメタノール試料および試料水はそれぞれ注意深く処理した後,所定の組成に調合し,質量法によりその組成を測定した. 本年度は,温度320〜360K,圧力:飽和蒸気圧〜200MPaの範囲でメタノール100mol%組成について飽和蒸気圧,飽和液体密度,PVT性質などを測定した.測定精度は,温度:±3mK,圧力,密度,組成:それぞれ±0.1%である.本研究では,これらの測定結果と昨年度得られたメタノール水溶液の実測値および文献値に基づいてメタノール水溶液の熱力学性質についてその組成依存性を検討し,次のことを明らかにした. 1.沸点圧力のRaoultの法則からの偏奇は正であり,メタノール20mol%組成ではその偏奇量は温度の上昇とともに減少するが,50mol%組成では温度によらずに一定となった. 2.過剰モル体積は負であり,圧力の上昇とともに0に収束し,理想溶液の挙動に近づく,温度依存性については,メタノール50mol%組成では20MPa付近の圧力において逆転する挙動を示すが,20mol%組成ではそのような挙動は見られない.
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