1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会における仮想現実空間環境下での健脚度評価法
Project/Area Number |
10650231
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
白石 昌武 茨城大学, 工学部, 教授 (10091860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青島 伸一 茨城大学, 工学部, 助教授 (60280898)
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Keywords | 高齢化社会 / 健脚度評価法 / 仮想現実空間 / 自然歩行 |
Research Abstract |
本格的に迎える高齢者社会にあって,健康のバロメータとして健脚度が重要になる.しかしヒトの健脚度をどのように評価するかの明確な基準はなく,単に機械により運動能力や物理的能力を数値的に求め,標準より高いあるいは低い等の評価を行っているに過ぎない.しかしのこのような方法は高齢者に緊張感を与え,精神的かつ肉体的にも負担となるばかりでなく,同じ"標準"という値が得られても個人の特異性は解らない.そこで本研究では,環境と言う精神的な面での健康感が得られる場を想定し,仮想現実空間によって創成された自然環境の中で,生活の一部である通常の歩行状態に着目した.そしてその歩行パターンを,脚部のみならず臀部さらには体全体のねじれや横揺れにも注目し,2台のカメラで三次元的に捉え,その結果から健脚度評価法の考え方と個人の特異性を見い出した.具体的には,通常の歩行から得られた歩行パターンについて,多次元的信号処理及び画像処理を行い、年齢別及び性差別に健常者の健脚度に関する特徴を抽出した(例えば,予備実験により非常に有効な特徴抽出法として提案したパターン軌跡の面積算出法).そしてまず年齢とは無関係に性別毎に、健康な人の健脚度の恒常的特長とはいかなるものかを探し出した.次にそれを基準として、健常な高齢者とそうでない人さらにはリハビリ中の人等との特徴比較を行い、その違いの特異性をある程度抽出することができた.そしてそれらの結果を踏まえ、生活の一部である自然の歩行に着目した無負荷による健脚度の評価法を確立する一指針が得られた.
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[Publications] 白石,浜田: "歩行パターンに基づく健脚度の評価法"精密工学会春季大会学術講演論文集. March.. 42-43 (1998)
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[Publications] 白石,長谷川: "歩行パターンからの健脚状態の特徴抽出"精密工学会誌. 64,7. 1045-1046 (1998)
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[Publications] M.Shiraishi & H.Sumiya: "Feature Extraction of Normal Lower Limb Condition Based on Gait Pattern"Proceedings of ASME Bioengineering Conference,Montana. June. 26-29 (1999)