1999 Fiscal Year Annual Research Report
自由音場に放射される音響パワーの分布形消音器による低減
Project/Area Number |
10650241
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本田 善久 京都大学, 工学研究科, 講師 (60181559)
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Keywords | 騒音制御 / 消音器 / 音響パワー / 音響インピーダンス |
Research Abstract |
自由音場に置かれた騒音源の近傍に受動音源として作用する音響管などを付加すれば,音源の放射効率を低下させて騒音放射を低減させることができる.十分な低減を得るためには騒音源を囲むように多くの付加音源を配置する必要があるが,機械の操作性や機能を損なわないために付加音源の配置を騒音源を含む平面内に限定すれば,騒音源を囲む閉曲線上に密に並べなければならない.その極限である閉曲線上に連続した開口部を持つ分布形消音器を用いれば,最大の騒音低減量が期待される.本研究では,そのような分布形消音器に必要とされる音響特性を求め,その消音性能について検討した.本年度は,騒音源のモデルとして二重音源や四重音源などの多重音源を取り上げた.分布形消音器の開口部は円周状とし,消音器空洞部の形状は昨年度の円筒状のものに加え,円板状のものも取り上げた,まず,分布形消音器の音響インピーダンスを求め,音場全体に放射される音響パワーの式を導いた.得られた式から音響パワーを最小にする消音器の音響インピーダンスとその最小値を求め,円筒状および円板状分布形消音器に関する設計式を導いた.これらの解析に基づいて音場や分布形消音器の消音特性に関する数値計算を行い、分布形消音器を用いた場合の消音性能の特徴を調べた.その結果,消音器開口部の半径が波長より短い場合に音響パワーの低減が可能であること,音響パワーの最小値は消音器の半径の4乗にほぼ比例すること、消音器開口部の幅が広いほど音響パワーの有効な低減が得られる周波数帯域が広くなることなどが分かった.また,点音源形消音器の複数配置と分布形消音器の関係をフーリエ級展開を用いて解析し,分布形消音器を用いた場合と同等の音響パワーの低減量を得るために必要な点音源形消音器の個数や配置法を明らかにした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshihisa Honda: "Passive Reduction of Sound Power Radiated into a Free Field by a Continuous Silencer"Proceedings of the Asia-Pacific Vibration Conference '99,Singapore. Vol.2. 595-600 (1999)
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[Publications] 本田善久: "外重音源から放射される音響パワーの分布形受動音源による低減"日本音響学会2000年春季研究発表会議演論文集(日本機械学会・日本音響学会共催シンポジウム). II巻. 73-74 (2000)