1998 Fiscal Year Annual Research Report
非ホロノミック環境と干渉する生体運動の解析と制御(非ホロノミック宇宙ロボットの遠隔操作制御システムへの応用)
Project/Area Number |
10650249
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
成清 辰生 豊田工業大学, 工学部・制御情報工学科, 教授 (70231496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 憲 理化学研究所, 制御理論研究チーム, 研究員 (10281635)
羅 志偉 理化学研究所, 制御理論研究チーム, 研究員 (70242914)
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Keywords | 非ホロノミックシステム / 生体運動 / 宇宙ロボット / 遠隔操作制御 |
Research Abstract |
本年度は、幾何学的拘束のある環境拘束運動として、クランク回転運動の解析を行った。その結果、腕とクランクのトータルシステムの安定性を調べたところ、適応後には積極的にシステムの不安定性を利用して加速していることが示された。この結果をより一般的に示すため、非ホロノミックな拘束を受けるクランク回転運動を用いた運動解析システムを実現する実験システムの設計を進めている。 また、宇宙空間に浮遊する非ホロノミック宇宙ロボットを、遠隔操作で人間が操作する制御システムの設計を行った。通常、遠隔操作はマスタースレーブ方式を用いたバイラテラル制御が有効であることが明らかにされている。しかしながら、宇宙ロボットのような非ホロノミックシステムをスレーブとするシステムに対する有効な制御手法は提案されていない。本年度は、宇宙ロボットのエンドエフェクターをマスターからの指示によって操作しつつ、宇宙ロボットのベース姿勢を安定に保持する制御系の設計法を開発した。この制御手法の基本アイデアは、エンドエフェクターの運動によって生じるベース姿勢の回転運動を、それと等価な姿勢反力によって置き換えることである。ベースの回転運動が置き換えられた姿勢反力は帰還ループによってマスター側に返され、マスターはベースの運動を生じさせる方向への運動を制限されることになる。これにより、マスターは常にベースを安定に保持しながら、エンドエフェクターの運動を制御する事ができる。このバイラテラル制御系の安定性は受動性の定理を用いて示すことができた。ただし、姿勢反力のため、マスターが制御できるエンドエフェクターの可動範囲が狭く、浮遊物を無衝撃で把握するような実作業に対する応用に関しては問題が残っている。現在、エンドエフェクターの可動範囲を広く保ったままで、ベース姿勢を安定に保持する遠隔操作制御システムの構築を行っている。
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