1998 Fiscal Year Annual Research Report
CT画像データを用いた個体別顎運動表示システムの開発
Project/Area Number |
10650254
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70126308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槇 宏太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (80219295)
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Keywords | 下顎運動 / X線CT / 個体別モデリング / 顎運動計測装置 / 非侵襲 |
Research Abstract |
咀嚼異常の診断や疾患の原因を解明する上で、顎関節部の運動を対象者毎に正確に捉えることは非常に重要である。その際、患者の負担を減らす上で非侵襲で顎運動の状態を捉えることが望ましい。しかし、臨床診断では2次元的な顎運動表示法に頼っており、運動を十分に把握できないのが現状である。そこで本研究は、顎運動を3次元的に捉えることのできる表示システムを開発することを目的とする。 顎運動は、上顎骨に対する下顎骨の相対的な剛体運動であり、運動表示には個体別のデータ、すなわち対象者自身の顎骨形態と同一の対象者の顎運動データが必要である。そこでまず、個体別の下顎骨形態をモデル化する手法を開発した。今年度(平成10年度)は、X線3D-CT画像データから下顎骨の個体別有限要素モデルを作成するソフトウェアを開発し、これを用いて下顎骨表面形状を小さな三角形で構成された多面体で立体的に表示した。一方、顎運動データは、上顎骨に対する下顎骨の相対変位をデジタル量で計測可能な装置を用いて測定した。これらのデータを用いて、上顎骨と下顎骨の相対位置を計算し、顎運動の様子をアニメーションとして表示するシステムをパーソナルコンピュータ上に構築した。 さらに、今年度は患者の負担ができるだけ少ない顎運動測定装置の開発を試みた。測定原理は、レーザー光を三角錐を成す角度で3方向に発射し、スクリーン上に投影された3つの輝点を計測することにより、レーザー発光点を求めるものである。この方式は既存の測定装置よりも軽量でかつ安価にシステムを構築できる可能性がある。そこで今回はまず、発光点の位置を3変数のニュートン法を用いて計算可能なことを示した。次に、この原理に基づく基本的な計測装置を製作し、レーザー光の3次元座標が計測可能なことを示した。
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