1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマテリアルの機械的特性制御(面内及び厚さ方向傾斜薄膜材料の創製)
Project/Area Number |
10650258
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小寺 秀俊 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20252471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲津 正夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (10201162)
島 進 京都大学, 工学研究科, 教授 (70026160)
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Keywords | MEMS / 機械的特性 / 引張り試験 / 材料拡散 / 多層膜 / 薄膜の変形 / 厚さ分布 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究では、実用に耐えるマイクロマシン及びマイクロデバイスを創製するため、マイクロマテリアル薄膜材料の構造とその機械的特性の相関を解明し、薄膜積層材料の機械的特性の制御を実現するための基礎研究である。 本研究は下記の2つの内容から成っている。 1)薄膜材料の内部構造を考慮した材料試験方法の構築 スパッタやCVDにより作成された薄膜材料の総合試験法を考案するとともに、積層した薄膜間での材料拡散の測定を行った。考案した総合試験方法及び試験片は、1層の薄膜の材料特性を測定することが可能であるとともに、積層材料間における拡散層が薄膜材料の機械的特性に及ぼす影響についても測定可能である。また、材料拡散の測定結果から、MEMSで多く用いられる電極材料が、エッチング処理に用いるSiO2の中に拡散することを明らかにした。 2)マイクロマシンプロセスの特徴を考慮した傾斜機能の構築 上記で求めた材料の拡散の影響を用いて傾斜材料を作成することは、材料創製材料として通常用いられる方法であるが、薄膜の面内方向に機械的特性を拡散させた傾斜材料を作成することは薄膜作成プロセスから考えると困難である。 従来の薄膜の研究では薄膜の電気的特性と結晶構造に着目されてきたが、本研究では機械的なひずみが薄膜の特性に及ぼす影響を明らかにし、機械的ひずみを制御することで、面内厚さ方向に機能を制御した薄膜材料を創製することが可能であることを示した。また、MEMSにおいて薄膜を微小機械の構造部品と考えると、薄膜を材料的に傾斜させるのではなく構造的視点から傾斜させることが可能である。すなわち、面内の膜厚分布を持たせることで面内の傾斜機能材料としての変形特性を実現することが可能であることを示した。所望の傾斜機能を発揮する膜厚分布を求めるため、遺伝的アルゴリズムを用いた数値解析論を構築した。解析により求めた傾斜膜を薄膜プロセスで作成し、分布膜が所望の形状に変形することを示した。
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[Publications] Hidetoshi Kotera: "A study of the effect of the fabrication process on diffusion in a layered thin film"Microsystem Technologies. Vol.5,No.4. 169-172 (1999)
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[Publications] Hidetoshi Kotera: "Shape Optimization for Dynamic Response of Micro-Membrane By Genetic Algorithm"ASME PVP. Vol.397-2. 227-232 (1999)