1999 Fiscal Year Annual Research Report
極微弱拡散光を用いた準鏡面の3次元形状計測法の研究
Project/Area Number |
10650267
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Research Institution | RIKEN (The Institute of Physical and Chemical Research) |
Principal Investigator |
加藤 純一 理化学研究所, 光工学研究室, 先任研究員 (70177450)
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Keywords | 波長走査干渉法 / 位相シフト法 / 半導体レーザー / 形状測定 / 広ダイナミックレンジ / 粗面 |
Research Abstract |
本研究では、高い感度と広いダイナミックレンジを併せ持つ画像入力システムと新しい波長走査干渉計測法の開発により金型など準鏡面の3次元曲面形状の高精度計測を実現することを目指した。結果として以下の成果を得た。 (1)計測法として,広帯域の波長走査(走査幅:8nm,ステップ0,2nm)が可能な半導体レーザーを光源としたマイケルソン干渉計とPZTミラーを用いた位相シフト法を併用する,位相検出型波長走査干渉法を開発した。測定面上の各位置での波長変化に対する位相変化の勾配を検出することでmmオーダの段差を含む形状をサブμmの高さ分解能で計測可能なことを確認した。 (2)上記,計測法の誤差要因を詳細に調べ,光学素子の裏面反射の影響が支配的であることを見いだした。また,半導体レーザーの注入電流に高周波変調を加える手法でさらなるノイズの低減を行った。これらの誤差対策の結果として,鏡面を対象とした最良値では,約40nmの高さ標準偏差を実現した。 (3)準鏡面と粗面を含む表面を持つ対象の計測のために,入力レーザー強度を高くし,カメラ直前に置いた偏光素子により物体光と参照光の強度比を調整することで,幅の広いダイナミックレンジを持つ計測が可能なことを見いだした。粗面部においてわずかに偏光状態が変化することを利用している。この手法により,シリコン基板表面のバンプの高さ分布測定などが可能となった。 本研究で得られた結果により,従来の干渉計測ではにがてであった,不連続段差を含む様々な機械部品の計測が可能となった。当初予定していたペルチェ素子冷却型CCDカメラおよび通常のCCDカメラを組み合わせることで広いダイナミックレンジを得る手法も試みたが,偏光状態の利用で十分な結果を得られた。この方法については,今後引き続き検討を続ける予定である。また,本手法をさらに拡張して大型非球面形状測定を試みる。
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Research Products
(1 results)