1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650273
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80179415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20273120)
渡辺 貞司 岐阜大学, 工学部, 教授 (20021595)
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Keywords | 空間電荷 / 雷 / リモートセンシング / 雷雲 / 避雷 / 送電線 / 音波 |
Research Abstract |
音波により空間電荷を振動させ、それによって発生する電界の変化を検出し、その電界変化量から電荷密度を推定するという原理を元に、屋外で空間電荷密度を測定可能な装置を製作することが本研究の目的である。 前年度は、室内での基礎実験を行うと共に、当初の計画にはなかった屋外での予備観測も行った。その結果、従来の電界計の約100倍の高感度化が達成でき、これを用いた屋外観測により、襲雷時に無数の木の枝から出たと思われる1例の空間電荷の観測に成功した。ただし、スピーカには口径12cmの小型の物を用いたため、木上2,3mまでの空間電荷しか測定できなかった。 そこで、本年度は、屋内実験により観測装置の精度の向上を目指すと共に、屋外用大型スピーカ(カイジョー AT-900、最大出力900W)を購入して、空間電荷の測定を行った。この大型スピーカを用いて、福井県美浜町岳山山頂(標高約200m)において冬季雷を対象に約3ヶ月間屋外観測を行った。樹高約10mの木の隣にスピーカと電界計を設置し、襲雷時に周波数1kHz、出力約700Wで音波を発射したところ、約25ms後に指数関数的に減少する電界変化を2例を観測した。この25msは高度約10mに相当することから、木の上端にたくさんある枝からでたコロナ放電に伴う空間電荷を測定できたと確信している。この電界変化に相当する空間電荷密度は約10nC/m^3であり、これまでの他の方法での測定例と一致する。これで、合計3例のデータが得られ、さらにデータを増やすことと、さらなるノイズの除去が今後の課題として残されている。
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