1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650277
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 寔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80089127)
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Keywords | 真空紫外光 / 重水素ガス / 重水素-水銀ランプ |
Research Abstract |
広い波長域で真空紫外光を放射するランプを開発するのにあたって、1.真空紫外光ランプの問題でまだ完全には解決されていない、真空紫外光取出し窓(Mgf2:)のランプへの接着と、2.この開発するランプ独自の問題である、液体金属陰極(Hg)の陰極部分への環流の二点を解決しておかねばならない。 1.の問題は不純ガスのランプ内への析出・混入と言った、ランプの寿命に関わる重要な問題であるため、ガラスメーカーの協力を仰ぎ、ランプ本体とMgF2結晶窓のフリットガラスによる直接接着を試みた。しかし、結晶のガラスの膨張係数の違いが大き過ぎるため、現在開発されているフリットガラスではフリット封着の後、歪みの応力が結晶窓に掛かりMgF2の結晶軸の方向に劈開し直接の封着はできなかった。このため、結晶窓の周囲とランプ本体の窓を封着する部分夫々の表面に金属(ニッケル、インジュウム)を蒸着することで金属化し、金属を介して封着を行った。今後、これらの金属からの不純ガスの析出を調べる。 2.の液体金属陰極(Hg)の陰極部への環流に関しては、水銀が環流してこないと高エネルギー順位の電子が作成されかつ大電流が流れると言った、この陰極の特質が失われるため重要な問題である。この問題の解決のため、今年度整備費で購入した最大繰り返し周波数20Hzのペルス電源で放電、ハルス電流2kA、3kAで繰り返し周波数を変化させランプの温度上昇を調べた。この結果、放電電流3kA、繰り返し20Hzで3分の放電の後ランプ外面の温度はおおよそ70℃であった。これは電極外壁の外側にジャケットタイプのガラス壁を設け、水冷することによってガラス面を通して充分冷却できる温度である。このため、次年度はこれらのジャケット構造を持つランプを製作、テストをすると共にXe等重水素以外のガスからの真空紫外光のテストをも行う予定である。
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