1999 Fiscal Year Annual Research Report
分布定数理論を用いたイミタンス変換形電力変換方式に関する研究
Project/Area Number |
10650288
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 敏久 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (30254155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大里 正人 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (30209233)
木村 軍司 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (10087215)
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Keywords | イミタンス変換 / 電力変換 / 分布定数 |
Research Abstract |
本研究は,電圧源を電流源に容易に変換できる,所謂イミタンス変換理論を高周波電力変換の技術分野に適用し,高周波電力の利用に新しい道を開くことを目的とする。本年度の研究は,昨年度の研究成果を反映させ,イミタンス変換要素の実用化に必要な問題点の整理とその解決のための基礎技術開発,およびイミタンス変換要素を用いたイミタンス変換形電力変換装置の開発を行った。研究成果は以下のように要約される。 1.高周波誘電体フィルムと薄銅フィルムを使用した平行平板形線路の基礎特性の評価 昨年度に製作した平行平板形線路を用いたイミタンス変換要素の基礎特性を評価し,実用に供するために必要な特性要因の抽出を行った。その結果,単位長辺りのインダクタンス成分と静電容量成分を相当量増加させる必要があることが明らかとなった。 2.分布定数形変圧器の試作と特性評価 当初想定した構造体(従来の変圧器構造の延長)では必要なインダクタンス成分を得られず,導体の周囲に高透磁率磁性膜を配した新しい構造であれば,初期の性能が達成できる見通しを得た。ただし,その構造体の製作には磁性膜の蒸着技術が必要となり,そのための技術開発の必要性が新たな課題として浮上してきた。 一方,分布定数を模擬した集中定数形のイミタンス変換要素の検討を行った。本方式は,伝搬基本波と3次高調波成分を選択的にイミタンス変換できることに特徴がある。本方式は比較的低周波数で高い実用価値がある。 3.イミタンス変換要素を用いたHIDランプ用イグナイタの開発 放電始動時の高電圧印加と放電後の負性抵抗特性に伴う放電不安定現象を解決できる,分布定数線路を用いたイミタンス変換形HIDランプ点灯装置の開発を行った。また,2MHzで動作するインバータの3次高調波成分をイミタンス変換して6MHzの電流源を実現する回路方式を開発した。本方式でインバータの動作周波数を4.52MHzとすれば,スイッチング方式の13.56MHz交流電力発生装置が実現できる。 さらに,集中定数形のイミタンス変換要素を用いた,新しい定圧大電流用DC-DCコンバータ,および電流源注入形の太陽光発電用インバータの検討を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 玉手道雄 大口英樹 林 誠 清水敏久 木村軍司 高木宏之: "多段LCLネットワークのイミタンス変換特性に関する考察"平成11年電気学会産業応用部門大会講演論文集. 2巻. T-27 (1999)
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[Publications] H.Ohguchi,M.Hayashi,M.Tamate,T.Shimizu,G.Kimura: "Discussion of immittance conversion characteristics on distributed constant line and novel multistage LCL network."Proceedings of IPEC-Tokyo 2000. (発表予定). (2000)