1998 Fiscal Year Annual Research Report
非線形現象を考慮した新しい数値電磁界解析法による送配電線路雷サージ電磁界の研究
Project/Area Number |
10650292
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
加藤 正平 東洋大学, 工学部, 教授 (80103571)
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Keywords | 雷サージ / 雷インパルス / 二重指数関数波 / 送配電線 / 数値電磁界解析 / 逆フラッシオーバ |
Research Abstract |
送配電線路は大部分が線形動作素子からなるが、システムの事故や故障の原因となる過電圧では避雷器やフラッシオーバの非線形現象が現れる。本研究では従来の回路方程式ではなくマックスウェル方程式から求める電磁界で線路サージを解析する。これまでの電磁界解析法では線形現象のみを扱ってきたが、本年度、放電現象を扱う方法を検討し、シミュレータに新機能を追加することができた。非線形現象では時々刻々インピーダンスが変化するため、解析時間ステップ毎にシステム方程式を変更する必要が生じ、解析時間が大きく増加する問題があった。放電や避雷器は線路の一部に限定されることに注目し、システム方程式の作成時に最小の変更になるように電流変数の順序付けを自動的に行うアルゴリズムを使用した。これによって非線形素子が線路に存在しても10%程度の計算時間の増加に抑えることができ、適切な計算時間内で雷サージの電磁界解析が可能となった。本手法の有効性の検証のために変電所のように複数線路が交差する場合のサージ電磁界の解析を行い、実験との比較検討から本研究手法は誘導現象の解析に適していること明らかにした。 さらに短波尾インパルスの実験結果に基づいて提案され、回路解析法で使用されているフラッシオーバモデルを数値電磁界解析にも導入することを検討した。本年度はモデルのプログラム作成と機能の検証のために、また雷撃の電源モデルとして必要な二重指数関数波を波頭長と波尾長から求める機能を作成した。サージ解析では実雷撃電流による過電圧を求めるためには、各種の雷インパルス波形で過電圧の発生を調べる必要があり、Newton法による数回の反復計算で所定の電圧、電流波形を作成できるルーチンを作成することができた。 以上によって次年度に計画している鉄塔の逆フラッシオーバで発生する短波尾サージによる放電特性およびUHV線路モデルの電磁界解析の準備を整えた。
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