1998 Fiscal Year Annual Research Report
赤外と可視波長域のレーザ生成プラズマ混在による誘導放電遅れ時間短縮
Project/Area Number |
10650295
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
岡野 大祐 九州東海大学, 工学部, 助教授 (00169129)
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Keywords | 炭酸ガスレーザ / YAGレーザ / 誘導放電 / レーザプラズマ / 遅れ時間短縮 / ガイド放電 |
Research Abstract |
研究目的 本研究では、大気圧中の棒対平板電極間にしきい値未満の直流電圧を印加しておき、そのギャップ中にパルスレーザによるプラズマを生成して放電を誘導する装置を用いる。この電界ギャップ中で、YAGレーザ(波長=532nm)プラズマとCO_2レーザ(波長=10.6μm)プラズマを時間・空間的に相対的な変化において各一個ずつ生成させて、CO_2レーザプラズマ生成後の放電遅れ時間短縮に関する基礎実験を行うことを目的とする。 研究実施内容 (1) 実験条件 ガス:乾燥空気 電極:棒対平板(棒直径3mm、平板直径160mmSUS製) 気圧:1気圧一定 ギャップ長(d_g):30mm一定 レーザプラズマ位置:CO_2レーザプラズマ(ギャップ中心位置) YAGレーザプラズマ(棒電極中心軸上の中心を含む5分割点に生成) (2) 放電誘導しきい値測定 上記実験条件下でV_<50>に相当するしきい値電圧測定を行った。実験結果より、CO_2レーザプラズマ(以下CO_2プラズマと略称)生成より100μs以上の早い時刻にYAGレーザプラズマ(以下YAGプラズマと略称)を生成させると、YAGプラズマが平板電極に近づくにつれてV_<50>は低下した。これは、フレーミングカメラによるフラッシュオーバー直前の写真観測において、放電の始まりがCO_2プラズマと平板電極間に認められることから、この領域にYAGプラズマで荷電粒子を注入することでさらにしきい値が下がったものと推定される。 (3) レーザ誘導放電遅れ時間測定 上記実験条件下で、CO_2レーザ照射時刻を基準とした誘導放電遅れ時間の測定を行った。実験結果より、CO_2プラズマおよびYAGプラズマ単独で生成したときの誘導放電遅れ時間よりも、組み合わせプラズマでの遅れ時間が短くなることが明らかとなった。また、YAGプラズマ照射位置を平板電極に近づけることにより、さらに遅れ時間が短縮でき、CO_2プラズマ単独での場合に対して最大1/3以上の遅れ時間短縮が生じた。また、この時間短縮現象はしきい値の低下と指数関数的な相関性を有していることが分かった。今後の予定として、しきい値と誘導放電遅れ時間との関係について、放電物理の観点から実験および考察を行う予定である。
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[Publications] D.Okano: "Guided Discharge Path by Weakly lonized Region between Two Plasmas Produced by YAG Laser in An Armospheric Air Gap with Non-Uniform DC Electric Field" IEEE Transaction on Plasma Science. Feb.(to be published). (1999)
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[Publications] D.Okano: "Study on Reduction of Time Lag for Laser-Induced Electrical Discharge in Atmospheric Air with Non-Uniform Electric Field" Bulletin of The American Physical Society. 43. 1816-1816 (1998)