1999 Fiscal Year Annual Research Report
集積電子回路におけるフィールド酸化膜上の高配向薄膜配線の形成
Project/Area Number |
10650300
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
野矢 厚 北見工業大学, 工学部, 教授 (60133807)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 眞弓 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80236512)
|
Keywords | 集積回路 / 配線 / 高配向薄膜 |
Research Abstract |
集積回路におけるCuを用いた配線は,フィールド酸化膜であるSiO_2に配線を埋め込むダマシン法による形成がなされるが,その際、Cuをエレクトロマイグレーション耐性に優れた(111)面に優先配向させるための下地バリヤ層を検討した。先年度の結果より,SiO_2上にNbやVなどのbcc金属(110)面をバリヤとして用い,Cu(111)面の優先配向を得ることが可能であったが,これらの系は熱処理によりNbやVがSiO_2との界面での酸化・還元反応が進行したり,Cu層を通って、NbやVが表面に析出すると言った問題点が指摘された。この問題の解決のために,どちらもbcc構造で完全固溶合金となるTa-W合金の適用を検討した。Ta-W合金は固溶体となり,bcc構造を保持しており,その上にCu(111)面を得ることが出来た。合金組成Ta_<0.5>W_<0.5>のバリヤを用いて得られたCu/Ta-W/SiO_2/Siモデル系に対して熱処理を行ったところ,800℃の熱処理においても,先に,NbやVバリヤで見られたSiO_2との界面での酸化・還元反応の進行や,表面への析出と言った現象は十分に制御されていることが実験的に示された。さらには,バリヤ層の薄層化の検討を行ったところ,Ta-Wバリヤを20nmとした系においても,750℃の熱処理でも有効なバリヤとなることが実証できた。以上のことより、SiO_2上にCu(111)面に優位配向した配線層を形成するためのバリヤとして構造的にも,熱的安定性に優れ,なおかつ薄層化にも対応可能なバリヤ材料の開発に目途を付けることが出来た。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 榊秀善 他: "Cu(111)/Ta-W(110)/SiO_2/Si構造における界面反応"応用物理学会学術講演会. (1999)
-
[Publications] 佐藤和美 他: "Cu/VN/SiO_2/Si系におけるNV介在層の膜厚依存性"電気関係学会北海道支部連合大会. (1999)
-
[Publications] 佐藤和美 他: "Cu/VN/SiO_2/Si系におけるNV極薄バリヤ"応用物理学関係連合講演会. (2000)
-
[Publications] 榊 他: "Ta-W合金を用いたCu(111)配線"電子情報通信学会技術研究報告. (予定). (2000)