1998 Fiscal Year Annual Research Report
水素化アモルファスシリコンの光劣化により生ずる光誘起膨張に関する研究
Project/Area Number |
10650304
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
野々村 修一 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80164721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 貴司 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00223157)
仁田 昌二 岐阜大学, 工学部, 教授 (90021584)
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Keywords | 光誘起膨張 / 水素化アモルファスシリコン / 光劣化 / ベンディング法 / アモルファス構造変化 / 初期応力 / 可逆現象 / 格子緩和 |
Research Abstract |
光照射によって物性が変化する光誘起現象は、アモルファス半導体で観測されている。カルコゲナイドガラスにおいては、膨張というマクロスコピックな構造変化が直接的に見いだされているが、a-Si:Hの場合には光生成欠陥は報告されているが、通常のX線回折やラマン散乱などの構造評価の実験からはその変化をとらえられていない。我々は薄膜の単軸性の体積変化を非常に感度高く検出できるベンディング法を開発した。これは基板と薄膜のバイモルフ試料が微弱な体積変化により容易に曲がる性質を応用したものであり、レーザーを用いた光てこ法を組み合わせて用いることにより、試料端のベンディング変位を25Å程度の分解能にて検出可能とした。 本研究では、この方法をa-Si:Hに応用し、巨視的な光誘起体積膨張を見いだす事ができた。これは熱アニールで回復し、再度の光照射で再現することから可逆的な現象であった。また、光誘起欠陥生成の時定数とも良い一致を示すため、光劣化現象との強い相関がある。さらに、光生成欠陥に対する膨張の割合を見積もり、1個の欠陥に対して膨張がおよぶ範囲が15人程度であることを示した。このことから、アモルファスネットワークの格子緩和が起きている可能性を示した。 PECVD法、Hot-Wire法および光CVD法で作製した水素化アモルファスシリコンを詳しく調べた。いずれの作成方法においても光劣化に伴う光誘起膨張が観測され、水素を含んだアモルファス構造に共通な現象であることを見いだした。また光誘起膨張の大きさが製膜初期の基板との外部応力に依存している結果を得た。さらにPECVD法で作製した微結晶シリコンでは初期外部応力は大きいにも係わらず光誘起膨張が観測されなかった。これらは光劣化現象を解明する大きな手掛かりと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Gotoh, S.Nonomura, M.Nishio, S.Nitta, M.Kondo, A.Matsuda: "Experimental evidence of photoinduced expansion in hydrogenated amorphous silicon using bending detected optical lever method" Applied Physics Letters. Vol.72・No.23. 2978-2980 (1998)
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[Publications] T.Gotoh, S.Nonomura, M.Nishio, N.Masui, S.Nitta, M.Kondo, A.Matsuda: "Detection of photoinduced structural change in a-Si : H by bending effect" Journal of Non-Crystalline Solids. Vol.227-230. 263-266 (1998)
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[Publications] K.Abe, S.Nonomura, S.Kobayashi, M.Ohkubo, T.Gotoh,et.al.: "Photoluminescence study of nano-crystalline GaN and AIN grown by reactive sputtering" Journal of Non-Crystalline Solids. Vol.277-230. 1096-1100 (1998)
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[Publications] D.Han, T.Gotoh, M.Nishio, T.Sakamoto, S.Nonomura,et al.: "Correlation of stress with photo-degradation in hydrogenated amorphous silicon prepared by hot-wire CVD" Materials Research Society Symposium Proceedings. Vol.505. 445-450 (1998)
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[Publications] S.Kobayashi, S.Nonomura, K.Abe, K. Ushikoshi and Nitta: "Preparation of filed effect transistor using nano-crystalline GaN" Journal of Non-Crystalline Solids. Vol.227-230. 1245-1249 (1998)
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[Publications] S.Kobayashi, S.Nonomura, K.Ushikoshi, K.Abe, M.Nishio,et.al.: "Optical and electrical properties of nano-crystalline GaN thin films and their application for thin film transistor" Journal of Crystal Growth. Vol.189-190. 749-752 (1998)