1999 Fiscal Year Annual Research Report
六方晶コバルト・白金合金膜の微細構造制御と垂直磁気記録への応用
Project/Area Number |
10650309
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
塩見 繁 三重大学, 工学部, 助教授 (00115578)
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Keywords | 磁性薄膜 / 垂直磁気異方性 / 保磁力 / 六方晶 / コバルト・白金合金 / 垂直磁気記録 / スパッタリング |
Research Abstract |
Pt含有量が25%程度のCo-Pt合金膜は,c軸が膜面垂直に配向した六方最密(hcp)構造をとると,大きな垂直磁気異方性をもつ.c軸が膜面垂直に配向したhcp構造をとらせるために,これまでは(111)配向したPt下地層を用いてきた.下地層がCo-Pt合金膜の結晶構造と磁気異方性に及ぼす効果を調べるために,金Auと銅Cuを下地層としてPt含有量が25%のCo-Pt合金膜を作成した.劈開したマイカ基板上に厚さ5から100nmのAu下地層を基板温度200℃でスパッタした.その後基板温度を100℃に下げ,厚さ30から100nmのCo-Pt合金膜をスパッタした.厚さ30nmのCo-Pt合金膜の垂直磁気異方性はAu下地層が薄いときには小さく,面内磁化膜である.しかし,Au下地層が厚くなるにつれて垂直磁気異方性が大きくなり,Au下地層が100nmのときには垂直磁化膜になる.また,垂直磁気異方性はCo-Pt合金膜の厚さにも強く依存し,厚さ100nmのときの異方性は30nmのときの5倍もある.次に,厚さ100nmのCu下地層を基板温度を室温から300℃まで変えてスパッタした.その後基板温度を100℃に下げて厚さ100nmのCo-Pt合金膜をスパッタした.垂直磁気異方性はCu下地層スパッタ時の基板温度に強く依存し,100℃以下では面内磁化膜である.しかし,基板温度を200℃に上げると垂直磁気異方性が急激に大きくなり,垂直磁化膜になる.この垂直磁気異方性の向上は,基板温度の上昇にともなうCu下地層の(111)配向性の向上と密接に関連している.すなわち,Pt,AuあるいはCu下地層の(111)配向性が十分に高くなると,その上にc軸が膜面垂直に配向したhcp構造のCo-Pt合金膜が成長し,大きな垂直磁気異方性が誘導される.そして,垂直磁気異方性の大きさは下地層の種類にほとんど依存しない.
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Research Products
(1 results)