1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650322
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
大橋 朝夫 愛知工業大学, 工学部, 教授 (20023244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 鎮康 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10078909)
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Keywords | 分子線エピタキシー / バナジルフタロシアニン / 単結晶 / エピタキシー成長 / 三次非線形光学感受率 / KBr基板 / 光コンピュータ / 光スイッチング |
Research Abstract |
有機材料は分子レベルでの設計が行えるため,高効率な非線形光学材料の実現が期待されている。位相整合条件が成り立つとすると,非線形光学材料へのレーザ光入力に対する出力の二次,三次高調波発生が膜厚の二乗に比例することから,大きな単結晶を作製することが重要である。本研究では,分子線エピタキシー(MBE)装置を用いて,蒸着時間,熱処理時間を変化させ,大きなバナジルフタロシアニン(VOPc)単結晶を作製し,その結晶評価と非線形光学特性を検討した。 蒸着分子には,バナジルフタロシアニン(VOPc)分子を,基板材料には,KBrを用いた。作製したVOPc単結晶の結晶形態をエリプソメータ,走査型電子顕微鏡(SEM),可視・紫外光電分光光度計(VIS・UV),反射高速電子線回析(RHEED)により検討した。エリプソメータにより,VOPc単結晶の屈折率,膜厚を測定した。VOPc単結晶の非線形光学特性については,メーカー・フリンジ法による測定結果から検討した。さらに,その結果からエリプソメータにより測定された屈折率から,位相整合条件を検討した。 熱処理を行うことにより,大形のVOPc単結晶を作製することに成功した。さらに,VOPc薄膜の膜厚が64nm以上ではエピタキシー成長しないことが報告されていたが,本研究により,KBr基板上に作製されたVOPc単結晶の膜厚が64nm以上でもエピタキシー成長すること,位相整合条件が成立することを示した。これまで報告されたVOPc単結晶の三次非線形光学感受率χ^<(3)>に比し,本研究で作製されたVOPc単結晶が約5倍になることを示した。χ^<(3)>値は約1.3×10^<-9>esuである。VOPc単結晶のサイズを12.5×12.5×0.16um^3に成長させることに成功した。本研究により作製されたVOPc単結晶とそのχ^<(3)>値により,光コンピュータ用の光スイッチング,RAM,ROM,CPU等の光デバイス作製への道を開いた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 奥村典弘: "エピタキシー成長したバナジルフタロシアニン膜の非線形光学特性" 真空. 42. (1999)
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[Publications] Nakano Hiroyuki: "Second and Third Harmonic Generations of Soluble Vanadyl-Phthalocyamine Doped in Polymer Films" Optics and Optoelectronics. 2. 936-941 (1998)
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[Publications] 前田 昭徳: "分子線エピタキシー法でKBr,雲母基板上に作製したバナジルフタロシアニン単結晶の評価" 電気学会論文誌A. 118-A. 464-474 (1998)
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[Publications] 前田 昭徳: "分子線エピタキシー法でガラス基板上に作製されたバナジルフタロシアニン薄膜の相構造変化に伴う熱刺激電流" 真空. 41・6. 569-573 (1998)
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[Publications] 前田 昭徳: "MBE法によりKBr基板上に作製されたバナジルフタロシアニン単結晶とそのSHGとTHG" 電子情報通信学会論文誌. CI. (1999)
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[Publications] Akinori Maeda: "Third Harmonic Generation and Growth Mechanism of Vanadyl-Phthalocyanine Single Crystal Prepard on KBr Substrate by Molecular Beam Epitaxy" Journal of Crystal Growth. (1999)