1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650326
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
野沢 忠生 九州共立大学, 工学部, 教授 (10268790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生地 文也 九州共立大学, 工学部, 教授 (00093419)
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Keywords | 強磁性薄膜 / 飽和磁化 / 保磁力 / 磁壁移動 / 交換相互作用 / 磁気異方性 / FeCoV / FeNiMo |
Research Abstract |
平成11年度研究項目 薄いFeNiMo膜で挟まれたFeCoV及びFeNi膜の磁化特性 FeCo系磁性薄膜の軟磁性化の可能性の探索過程で、微量(体積率で1-2%)のFeNiMo層で狭持されたFeCoV膜の磁化過程が変化し、保磁力が大きく減少することを見出した。微量軟磁性薄膜によるFeCoV薄膜の保磁力減少効果の原因等に関する実験的探索を展開した。 薄膜試料は真空蒸着装置内で通常の抵抗加熱法を適用し、コーニングマイクロシートガラス0211上に、約1000eの磁場中で、室温で成膜された。磁化特性をVSMで測定し、磁区模様を磁気カー効果で観察した。 FeCoV単層膜は保磁力が約1000eの半硬質磁性膜であるが、極薄のFeNiMo膜上に蒸着された2層膜では、保磁力がやく6%に減少する。この現象は2つの異なる磁化特性を有する磁性膜の通常の複合効果、からは説明できない。さらに、この現象は、FeCoV膜の高飽和磁化をほとんど損なうことがなく、実用的価値も高い。同様な現象が、FeNi膜でも観察された。 FeCoV膜を狭持する軟磁性膜を変えた実験及び下地FeNiMoの成膜時に磁場を印可しない実験等によって、微量下地軟磁性膜の磁化特性の異方性がFeCoV膜及びFeNi膜の保磁力減少効果に強く関与することが推定された。
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