1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650337
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山西 正道 広島大学, 工学部, 教授 (30081441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角屋 豊 広島大学, 工学部, 助教授 (90263730)
三浦 道子 広島大学, 工学部, 教授 (70291482)
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Keywords | ショット雑音 / 半導体多重接合 / 半導体発光素子 / サブポアソン光 |
Research Abstract |
本年度は多重半導体接合による電流ショット雑音抑制に関し,次の2点を中心に研究を進めた. 1) 多重トンネル接合における電流ショット雑音の抑制:本年度はまず電流雑音測定系の構築を行った.同一の回路構成で伝達関数(S行列)および雑音測定を行うことにより,被測定素子のインピーダンスが周波数に依存する場合にも正しく電流雑音源のノイズスペクトルを得る系を構築し,Siショトッキーダイオードを用いてフルショット雑音が精度良く測定できることを確認した.また,GaAs/AlGaAs系多重トンネル接合素子を分子線エピタキシ法により作製し,室温でショット雑音の抑制を確認した.またこの素子に置いて低周波域(〜10MHz)で過剰な雑音が発生したが,プロセス方法を変更しオーミック接合の質を向上させることで,この過剰な雑音発生は大幅に低減できることを確認した.一方,多重トンネル接合構造を横切る電流雑音のモンテカルロシミュレーションを行い,トンネル接合素子で印加電圧が低く逆方向電流が無視できない場合には多重化による雑音抑制効果が弱くなることを明らかにした. 2) 多重接続発光ダイオードにおける光子数ゆらぎと電流雑音の関係:N個直列接続した発光ダイオードにおいて出力光子数雑音のパワー密度が1/Nに抑制されるとき,電流の雑音電力密度も1/Nになる.これは一見当然のように見えるが,その機構が必ずしも同一ではないことをランジュバン方程式を用いて解析的に示した.また,実際に多重接続したLEDの電流雑音を平均注入電流が少ない領域で上記の方法で測定したところ,光子数雑音が1/Nに抑制されている状況に置いても,電流雑音の電力密度が1/Nよりも高い場合があることを見いだした.DCのV-I特性から判断してリーク電流が関与していると予想されるが,現時点ではこの理由はは明らかではなく,今後明らかにしてゆく必要がある.
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Research Products
(1 results)