1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650340
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
木村 光照 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048811)
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Keywords | 熱分析 / マイクロマシン / 半導体 / シリコン / マイクロヒータ / サーミスタ / 温度センサ |
Research Abstract |
マイクロマシン技術を用いた超小型のエアブリッジ型マイクロヒータの特長を最大限に生かした超小型の熱分析計とその熱分析方法に関する研究である。本年度は、次の研究をした。(1)センシング部の製作プロセスの検討として、マイクロヒータの寸法と形状、試料ホルダーの寸法と形状、熱電対の構成要素の種類とエッチング工程の評価を行った。長さと幅の異なるマイクロヒータ(試料ホルダーの寸法も同時に異なる)の組み合わせを検討した。また、熱電対は、金とニッケルとの組み合わせが、やはり純金属から構成されるので再現性が良いことを確認した。(2)センシング部に適合する温度走査の制御系の製作と実験的評価として、マイクロヒータに印加する電圧を時間の平方根的に上昇ずる関数で印加する、定速電力走査方式を採用して実験をした。LabViewソフト利用してパソコン制御した。(3)センシング部の温度走査における時間微分法の確立と評価として、マイクロヒータの高速応答性を利用して、単一のマイクロヒータを使用して、参照試料を必要としない新しい加熱速度曲線を得る方式を確立した。これ〓微小時間前の試料温度と現在の温度とを差動増幅するもので、サンプリング・ホールド回路と差動増幅器とを組み合わせ、実質的に加熱曲線を時間微分する回路となっている。(4)液体試料用の検討と評価として、水を中心に検討し、蓋を取り付け対流等の外乱要素を除く工夫、回路のノイズ対策等を検討した。また、水試料の初期質量の評価法の確立、エンタルピーの算出等を行った。 (5)基準温度の設定として、基板の絶対温度を常時計測するために、基板がSl単結晶基板であることを利用し、また、トランジスタのコレクタ抵抗がサーミスタとして利用できることを見つけ(トランジスタ・サーミスタと呼ぶことにした)、これを集積化することを検討し、実証した。
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[Publications] M.Kimura: "Ultraminature Sensor for Thermal Analysis with an Air-Bridge Type Microheater" Trans.IEE of Japan. 118-E・3. 183-186 (1998)
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[Publications] Jun-ichi Hayasaka: "Study on Thermal Analysis Using Microheater" Technical Digest of the 16th Sensor Symposium. 111-114 (1998)
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[Publications] Mitsuteru Kimura: "Characterization of the Micro Thermal Analysis Sensor and Proposal of Transistor-Thermistor for Temperature Measurement of its Si-Substrate" Proc.4th THERMINIC Workshop. 93-98 (1998)
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[Publications] 相沢武宏: "可変B定数トランジスタサーミスタ" 電気学会 E部門総合研究会資料. PS-98-3. 13-17 (1998)
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[Publications] 早坂淳一: "超小型熱分析システムの検討" 電気学会 E部門総合研究会資料. PS-98-2. 7-12 (1998)
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[Publications] Jun-Ichi Hayasaka: "Ultraminiaturized thermal analysis sensor and its new heating-rate measuring method" Proc.MICRO SYSTEM Technologies98. 712-714 (1998)
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[Publications] 木村光照: "熱型マイクロセンサ(掲載予定)" 電子情報通信学会 電子デバイス研究会資料. (1998)