1999 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルペーパー技術の研究---本・新聞を読むためのペーパーディスプレイの実現---
Project/Area Number |
10650344
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
面谷 信 東海大学, 工学部, 助教授 (80297192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 恭介 東海大学, 工学部, 教授 (90055898)
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Keywords | デジタルペーパー / ペーパーライクディスプレイ / リライタブルペーパー / ヒューマンインタフェース / 電気泳動 / 反射型液晶 / ツイストボール / PDLC |
Research Abstract |
本期間においてはデジタルペーパー技術の満たすべき条件を明確化するためのヒューマンインターフェース条件の検討、およびデジタルペーパーメディア用ハード技術として3つの候補方式についての基本検討を行った。 1.デジタルペーパー技術の満たすべきヒューマンインターフェース条件の検討 デジタルペーパーの望ましいヒューマンインターフェース条件を明らかにする目的で、ハードコピー上に課題を提示した場合とディスプレイ(ソフトコピー)上に同じ課題を提示した場合とで人間の思考作業効率がどのように異なるかについて、被験者を用いた評価試験を行い、印刷物とLCDディスプレイを検討材料として作業効率の客観評価を実効作業速度で定量評価し、主観評価を疲労度と作業のしやすさに関する被験者へのアンケート調査により行った。この評価によりハードコピーの優位性が確認されたが、作業課題の多様化、高度化等が次の検討課題としてクローズアップされた。 2.デジタルペーパーメディア実現のためのハード技術検討 下記の3方式について絵ジタルペーパーメディアとして基本特性を備えることを実験等により確認することができた。 (1)ツイストボール表示方式の検討: 回転表示球の可逆回転に必要な電界条件、電界条件と回転速度等の関係を拡大モデル実験により明らかにした。本結果は表示シート作成に際しての重要な基本データとなる。 (2)PDLC反射型液晶表示方式の検討: ゲストホスト型液晶にイオン流照射によって表面電荷を形成しこれにより黒地上の白画像を得る方式について表示実験を行い、視野角依存のない高コントラストの画像をフレキシブルシート状メディア上に実現することに成功した。 (3)電気泳動表示方式: マイクロカプセル化電気泳動媒体にイオン流照射により表面電荷を形成し、これにより青地背景上に白画像を得ることが確認できた。書き込み速度は40mm/secまで実験的に確認を行った。
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[Publications] Makoto Omodani,Won-Sup Lee,Yasusuke Takahashi: "Present Status of Liquid Toner Development Technology and the Problems to be Solved"Proceedings of IS&T's 14th International Conference of Digital Printing Technologies. 1. 210-213 (1998)
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[Publications] 面谷 信: "デジタルペーパーのコンセプトと動向"日本画像学会誌. 1. 115-121 (1999)
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[Publications] 面谷 信: "ディジタルペーパーのコンセプトと研究動向"日本画像学会技術研究会予稿集. 72. 1-9 (1999)
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[Publications] 増田勝彦,面谷信,高橋恭介: "思考作業効率の観点から見たソフトコピーとハードコピーの比較"電子情報通信学会技術研究報告. 98(574). 69-74 (1999)
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[Publications] 増田勝彦,面谷信,高橋恭介: "ディスプレイ上作業とハードコピー上作業の作業効率比較"日本画像学会誌. 129. 11-17 (1999)
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[Publications] 吉川宏和,面谷信,高橋恭介: "イオン流照射によるG-H型液晶を用いたデジタルペーパーの検討"日本液晶学会討論会. 1999. 264-265 (1999)