1999 Fiscal Year Annual Research Report
自動等化を融合した多値振幅位相変調方式の多シンボル遅延検波方式
Project/Area Number |
10650359
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
半田 志郎 信州大学, 工学部, 助教授 (00156530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 眞二郎 信州大学, 工学部, 教授 (90021021)
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Keywords | 多値変調 / 最大事後確率推定 / 多シンボル遅延検波 / 適応的チャンネル推定器 / 周波数選択性フェージング |
Research Abstract |
本年度は、主に前年度までに構築した多シンボル遅延検波の簡略化とフェージング環境下での検討を行った。フェージングについては、フラットフェージングと周波数選択性フェージングの2種類について検討した。 多シンボル遅延検波の簡略化については、Mアルゴリズム及び(M,L)アルゴリズムについて検討した。多シンボル遅延検波では、可能な信号系列全ての尤度メトリックを計算し、その中で最も尤度の大きな系列を受信系列とする方法が基本であるが、これでは、ブロック長が長い場合膨大な数の系列を検討しなければならず、非現実的な面が有った。本研究では、信号系列を木構造で表現し、その木について制限探索をする方法を検討した。その結果、Mアルゴリズムを用いた場合、M=3程度でも全探索との差異はほとんどなく、大幅に検索数を削減することが出来た。また、Mアルゴリズムの動作に加えて、(M,L)アルゴリズムで木の深さ方向に関しても探索を制限する方法を検討した。その結果、復号器の構成は、ブロック長に無関係とすることが可能となり、より一層の簡略化が可能となった。これにより、複雑度を変化させることなく、ブロック長を十分大きくした場合、非同期検波でありながら同期検波と同等の符号誤り率を得ることができた。 次に、周波数選択性フェージングについては、非同期で動作するチャネル推定器と多シンボル遅延検波を融合した方式を検討した。この方式は、遅延検波が基本であり、従来から行われていた自動等化+同期検波、或いはチャネル推定+同期検波などの方式で必要な同期用搬送波の再生回路を不要とした。また、多レベル変調でありながら、周波数選択性フェージング通信路など、受信信号振幅が大きく変化する通信路においても、十分適用可能であることを示した。また、この考え方を、フラットフェージング通信路にも適用し、良好な受信特性が実現可能であることを検証した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Miwa, M.Machida, S.Haanda, S.Oshita: "Multiple-Symbol Differential Detectionof APSK Using(M, L) Algorithm"Proc. ITC-CSCC'99 Sado. 1. 623-626 (1999)
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[Publications] M.Miwa, M.Machida, S.Haanda, S.Oshita: "Adaptive Multiple-Symbol Differential Dtection for 16APSK over Frequency Selective Fading Channels"Proc. ITC-CSCC'99 Sado. 1. 615-618 (1999)
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[Publications] 町田、半田、大下: "各種検波方式における(4,12)型同心円信号点配置の符号誤り率の導出"電子情報通信学会論文誌(B). J82-B・5. 981-990 (1999)
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[Publications] 町田、半田、大下: "振幅位相変調方式の多シンボル遅延検波と(M,L)アルゴリズムを用いた探索パス数の低減"電子情報通信学会論文誌(B). J83-B・1. 22-30 (2000)
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[Publications] M.Liu, S.Handa, M.Machida, S.Oshita: "Adaptive Multiple-Symbol Differential Dtection for MAPSK over Frequency Selective Fading Channels"IEICE Trans. (in press).