1998 Fiscal Year Annual Research Report
実数値系列を用いたスペクトル拡散通信方式のディジタル化に関する研究
Project/Area Number |
10650365
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
棚田 嘉博 山口大学, 工学部, 教授 (70033248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 隆博 山口大学, 工学部, 助手 (10304495)
渡辺 孝博 山口大学, 工学部, 助教授 (70230969)
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Keywords | スペクトル拡散通信 / CDMA / シフト直交実数有限長系列 / 局間干渉 / 符号間干渉 / 高速相閲 / ディジタル信号処理 / FPGA |
Research Abstract |
本研究は、局間干渉、符号間干渉に強く、かつディジタル信号処理が高速に実行できるような符号の系列を開発し、実際にディジタル信号処理を主体としたスペクトル拡散モデムを試作することによって、CDMA方式への新しい技術の導入の可能性を与えることを目的としたものである。本研究は来年度も引き続き行う予定であるが、本年度の研究実績を以下に要約する。 (1) CDMA用の系列と高速相関アルゴリズムの開発 自己相関関数がインパルス状になる実数有限長系列の一般解を導き、この解より、系列を高速に発生し、高速に相関処理を行うアルゴリズムが多数存在することを示した。 また、局間干渉、符号間干渉がなく、かつ高速に相関処理が行える系列組の生成法を新たに導いた。 (2) ディジタル相関処理の方式設計 要素系列を2のべき乗数の和で表すことによって乗算を簡単にし、要素系列ごとの相関器を縦続接続することによって誤差が少なく高速に相関処理が出来る方式を設計した。 (3) FPGA実装用ディジタル相関処理回路の設計 FPGA実装用のパイプライン構造の縦続接続相関器を設計した。この設計のために、パーソナルコンピュータ(ゲートウェイ2000(社)製)、多出力直流定電圧電流電源(ケンウッド(株)製)、FPGA開発ソフトウェア(ザイリンクス(社)製)を有効に使用できた。 (4) ROM形符号発生回路設計 振幅変調およびパルス幅変調のROM形符号発生器を設計し、シミュレーションにより、40MHzのクロックで作動可能なことを確認した。 以上の実績により次年度の研究の遂行に十分な見通しが得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 棚田嘉博: "シフト直交実数有限長系列と高速変換" 第21回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. II. 735-738 (1998)
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[Publications] 棚田嘉博: "局間干渉および符号間干渉と抑圧した準同期CDMA" 電子情報通信学会技術研究報告. SST98-81. 37-43 (1999)
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[Publications] 松元隆博: "シフト直交実数有限長系列に対するマッチトフィルタの係数誤差の検討" 電子情報通信学会技術研究報告. SST98-93. 35-40 (1999)
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[Publications] Matsumoto,Takahiro: "Digital matched filter implementation on FPGA for a shift-orthogonal finite-length sequence" Proceedings of the 10th International Symposium on Personal,Indoor and Mobile Radio Communications. (1999)