1998 Fiscal Year Annual Research Report
分数間隔タップを有する高速なブラインド適応等化器に関する研究
Project/Area Number |
10650374
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
尾知 博 琉球大学, 工学部, 助教授 (50185617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 良人 テキサス, インスシメンツ・筑波研究開発センター, 研究員
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Keywords | 適応等化器 / ブラインドシステム同定 |
Research Abstract |
ブラインド適応等化は,高速な移動体ディジタル通信の要求に伴い年々その必要性は高くなっている. 本研究は,評価関数の最適性を考慮して,高速な収束を可能とする新しいブラインド適応等化アルゴリズムの開発を行うことを目的とする.具体的には,従来法のような周期定常性を用いず,2次統計量のみを用いる,オーバサンプリングによる手法とする.あるいは,アンテナダイパシチーのように1人力2出力SIDOモデルを対象とする. 本年度は,アルゴリズムの理論的な検討と計算機シミュレーションを行った. 以下,アルゴリズムとシミュレーション結果について,得られた結果と来年度の検討課題を要約する. 1. アルゴリズム 従来のブラインド適応等化器は,演算量が多いタイプか,評価関数が局所解を持つタイプの2種類に分けられ,いずれも実用には向かない欠点がある. そこで,本研究では,まず前者の欠点を解決するため,信号の二次モーメントのみを用いて評価関数を定義して演算量の少ない勾配形のアルゴリズムを開発している.次いで,後者の欠点を解決するためSIDOモデルを対象として2次形式となる評価関数を定義し,その最適性を保証している. 2. 計算機シミュレーション 以上の提案したアルゴリズムの有効性を確認するため,様々な伝送路モデルにおいて計算機シミュレーションを行った.信号には64QAM等を用いている.その結果,提案したアルゴリズムが良好に動作しブラインド等化が行える事が確認できている. 3. 米年度の課題 本年度は,計算機シミュレーションのみであるので,さらに実用性を高めるためにLSI設計まで平成11年度は行いたい.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Higa,H.OCHI: "A Gradient Type Algorithm for Blind System Identification and Equalizer Based on SOS" Proc.of Globecom. S133.4(発表予定). (1999)
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[Publications] 比嘉良人他: "QAM信号の等化が可能な2次統計量を用いる公配型ブラインド等化アルゴリズム" 信学技報. DSP98-165. 29-34 (1999)