1999 Fiscal Year Annual Research Report
大規模MMICのためのマイクロ波基本回路要素の集中定数回路化に関する研究
Project/Area Number |
10650376
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 勲 姫路工業大学, 工学部, 教授 (80047612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 正 姫路工業大学, 工学部, 助手 (30275309)
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Keywords | マイクロ波 / マイクロ波受動回路素子 / 集中定数回路素子 / ハイブリッド / 電力合成 / 分配回路 / 多開口回路 |
Research Abstract |
1.90°および180°ハイブリッド (1)不変量と等価アドミタンス(インピーダンス)法を用いた統一的設計法を示し、実際に広帯域回路を設計した。(2)不平衡LC回路およびLC対称格子回路を用いて構成した場合の周波数特性を解析した。その結果、後者の方が広帯域特性を有し、90°ハイブリッドは約2倍の帯域幅となり、180°ハイブリッドでは比帯域3.2の広帯域特性が実現できることが分かった。また、導体損が及ぼす特性劣化と損失を低減できる回路構成を検討した。(3)位相反転回路を利用した広帯域180°ハイブリッドを新たに提案した。また、導体損の効果も検討した。(4)位相反転回路とシャント容量を利用した超広帯域半集中定数回路型180°ハイブリッドを新たに提案した。(5)これらの回路をGaAs基板上にパターン設計し(MMIC構造)、高周波電磁界シミュレータ(Sonnet)で模擬実験を行うことにより具体的な回路構成法を明らかにした。(6)広帯域90°ハイブリッドをチップコンデンサと微少線路インダクターで試作し、設計法の妥当性を確認した。 2.8ポートハイブリッド (1)4個の90°ハイブリッドを組み合わせた種々の構成法を検討し、特に、帯域が広くなる2通りの形式を明らかにした。(2)LCπ型回路で基本回路を接続することにより動作帯域が改善されることも示した。 3.ウイルキンソン型電力分配器 (1)集中定数回路化した回路の周波数特性を明らかにした。(2)高周波電磁界シミュレータで模擬実験を行うことにより具体的な回路構成を明らかにした。 4.今後の研究展開 上記で得られた基本回路要素を利用して、N方向ウイルキンソン電力分配器/超多ポート電力分配器の構成法について引き続き解明を試みるとともに、その回路特性の改善(低損失、広帯域化)について検討する。
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[Publications] 太田 勲: "A very-small-sized reversed-phase hybrid ring"2000 IEEE International Microwave Symposium Digest. (発表予定). (2000)
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[Publications] 河合 正: "A broad-band semi-lumped-element hybrid ring"CJMW2000 Conference Digest. (発表予定). (2000)
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[Publications] 河合 正: "ハイブリッドの集中定数回路化"電子情報通信学会技術研究報告(マイクロ波). 99. 23-30 (2000)
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[Publications] 河合 正: "格子回路で構成した集中定数3dBハイブリッド回路の周波数特性"1999年電子情報通信学会総合大会講演論文集. エレクトロニクス1. 101 (1999)