1998 Fiscal Year Annual Research Report
2次元ラティスフィルタを用いた適応ビームフォーミング設計とその機能検証
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10650377
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浜田 望 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80051902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 勝己 琉球大学, 工学部, 教授 (60158152)
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Keywords | アレイ信号処理 / 適応フィルタ / ビームフォーミング / 方向推定 / 音声処理 / ノイズキャンセラ / ボルテラ形フィルタ / マイクロフォンアレイ |
Research Abstract |
次の3つの項目において成果を得た。 1. 基礎事項の研究として、一般化サイドローブキャンセラのロバスト性とニューラルネットワークを用いた到来波の方向推定システムの研究を行った。いずれもアレイセンサにおける特性ばらつき、位置誤差がキャンセリング機能や方向推定に影響しないようにロバスト化する方法を考察した。また、アレイ信号処理による無線通信システムとして関心が持たれている、適応CDMA受信機の新しい方式を考案し、 3波モデルによる解析により動作特性の向上を明らかにした。さらに、非線形システムであるボルテラ形フィルタを2次元ラティス構造とし、適応アルゴリズムの理論的成果を得た。 2. マイクロフォンアレイと方向性と調波構造を利用した音声抽出システムについての考察を行った。音声の特徴量である調波構造を用いた到来方向推定を行いビームフォーミングを用いることで方向性雑音、センサノイズなどのもとでも話者信号のみ抽出するシステムを提案できた。調波構造を利用しないシステムに比較して低SNノイズ環境においても抽出能力が従来法に比べかなり上昇した。 3. 実験システムとしてマイクロフォンアレイの実装を行った。8チャンネルのマイクロフォンセンサ、アンプ、AD変換によりアレイ信号の取得と処理を行うシステムを製作し、取得された音声アレイ信号による特定話者音声抽出について提案手法の検証を行うことができた。
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[Publications] 笠見英男,浜田 望: "線形高速定包絡アルゴリズムを用いた線形適応CDMA受信機" 電子情報通信学会論文誌B-II. J81・12. 1149-1152 (1998)
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[Publications] 菊地,山岡,浜田: "音声の調波構造を方向推定に適用したマイクロフォンアレイシステム" 電子情報通信学会技術研究報告ディジタル信号処理. DSP-98,164. 23-28 (1999)