1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650394
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
羽根田 博正 神戸大学, 工学部, 教授 (10031113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 聖治 神戸大学, 工学部, 助手 (50252789)
井上 克己 神戸大学, 工学部, 助教授 (10252321)
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Keywords | 相互作用 / 環境認識 / アフォーダンス / 進化型計算 / 距離関数 / 対話的実行環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は,人間を含む複数のシステムの相互作用という観点から,新たなアルゴリズムの設計と実装を試みることである.本年度の研究は,以下に示す二つの具体的なシステムを対象として行われた.何れの研究も対象の解析と考察の段階ではあるが,今後の研究基盤となるプロトタイプを完成させるとともに,関連する基礎的な技術を確立した. (1) ロボットと環境の相互作用:知能の本質は環境と有機体の相互作用にあるとの考えから,アフォーダンス理論に基づくロボットの実現を試みた.アフォーダンスとはGibsonに始まる生態心理学の重要な概念である.すなわち,アフォーダンスとは環境に潜む意味であり,環境内のアフォーダンスを発見し利用することで,ロボットは知的に振る舞うことができると考えられる.本研究では,仮想的なロボットと環境のモデルを考案し,環境の内部モデルを持たないロボットが,環境との相互作用によって適切に行動する,状況をシミュレーションで観察した.さらに,このロボットが利用している環境内のアフォーダンスを特定することで,その知的な行動が環境内のアフォーダンスとの相互作用によって創発されることを確認した. (2) 人間とコンピュータの相互作用:人間の知的支援システムとして,相互作用的な最適化システムの設計と実装を行った.遺伝的アルゴリズムに代表される進化型計算は,その汎用性,柔軟性,拡張性などにおいて優れているが,対象とする問題や進化過程に応じたパラメータのチューニングを必要とする.そこで,遺伝的アルゴリズムを枠組とする最適化システムの対話的な実行環境を開発した.この最適化システムの特徴は,個体間に構造的な距離を導入して,個体間の距離に基づき遺伝的アルゴリズムの動的な挙動を可視化することにある.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田川 聖治: "距離に基づく遺伝アルゴリズムの構築法" 電気学会論文誌,電子・情報・システム部門誌. 118・12. 1778-1785 (1998)
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[Publications] Kiyoharu Tagawa: "Distance based hybrid genetic algorithm for symmetric and asymmetric TSP" Beijing Mathematics. 4・2. 42-49 (1998)
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[Publications] Kiyoharu Tagawa: "Detection of affordance for environmental discrimination by an intelligent robot using a Lamarckian GA" Proc.of 2nd Workshop on Intelligent and Evolutionary Systems. 55-61 (1998)