1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650399
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
関 享士郎 岩手大学, 工学部, 教授 (60003860)
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Keywords | 生体物質 / 酵素反応 / 薄膜 / 真空蒸着法 / 金属多層膜 / 高温アニーリング / 臨床化学分析 / 環境分析 |
Research Abstract |
本年度は,生体物質識別システム(BDS)の実用lこ向け,操作性に焦点を絞り研究を行った.本研究で得られた成果を以下に列挙する. ・これまで,BDSは試料溶液に酵素溶液を滴下して試料の識別と定量を行っていたが,試料識別用の酵素溶液は使い捨てであった.そこで,酵素をアルギン酸ナトリウムで固定化し,試料溶液を一定の流速で酵素と反応させるシステムを構成した.本システムにより,ランニングコストの低減と,異なる試料に対する連続試験が可能となった ・前年度に交付された「生体物質自動操作ユニット」を用いて,データ処理装置等と組み合わせた自動生体物質識別システムを構築し,試料溶液等を自動で交換するユニットを構成した.本自動操作ユニットを利用することで,これまで手作業で行っていた試料溶液の交換等を自動で行うことが可能となり,測定時間が短縮され,測定条件が均一となることにより再現性も向上した. また,これまでは主にFe-Mn-Ni系金属多層膜の電気抵抗の微少温度変化を利用してシステムを構成していたが,新たにFe-Mn-Zn系金属多層膜(磁性体)の磁気抵抗の微少温度変化を利用したシステムを構成した.新規に構成したシステムは,薄膜状磁性体の焦性磁気効果を利用したものであり,他に類を見ない新しい原理で動作する.このシステムでは感温部と計測部が磁気的に結合して動作するため,両者を物理的に分離して使用することが可能であり,システムのハンドリングの著しい向上が期待できる. 以上の研究結果は,11項に示した論文を含め国内外の学会に報告した(投稿中を含む).
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 谷地善光,渋谷龍史,千葉茂樹,長田 洋,関 享士郎: "フェリ磁性膜を用いた熱型酵素センサの基本特性"日本応用磁気学会誌. 24・4-2. (2000)