1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650404
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
鎌倉 友男 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50109279)
|
Keywords | ハイドロホン / 相互校正法 / 非線形音響 / 波形ひずみ / 高調波 |
Research Abstract |
ハイドロホンの絶対校正として従来から相互校正法があるが、その他に次に述べる方法を組み合わせて校正値の信頼性を高めることを研究しした。 超音波の伝搬で省ずる高調波歪みを利用する。すなわち、音波の振幅を大きくすると波形歪みが発生し、多くの高調波が発生する。このときの各高調波の振幅、特に高次高調波の振幅ほど絶対音圧に大きく依存する。そして、非線形ビーム方程式(モデル式)の理論解と定量的によく一致する。現在、非線形ビームの伝搬を記述する放物方非線形方程式のモデル式(KZKの式ともいわれる)に対する数値結果と実験結果とに第5高調波までにおよそ数dBの差異がある。この差異は、特に放物型への低次近似法に問題があり、さらに近似度を高めることで実験値との差異を極力小さくすることができる。この高次放物近似の導出についてまず研究し、音波ビームの波面によく整合する扁平回転楕円体座標を利用したモデル式が都合がよいことが分かった。そして、水中で2MHzから20MHzの範囲の数点において高調波を利用して校正を行ったところ、ハイドロホンに添付された数値と最大で1.5dB以内で一致した。また、相互校正法も同時に行い、これについては2.5MHzと5MHzの2.点において、やはり添付データと0.5dBで一致した。以上の結果から、音波の非線形高調波を利用した新しいハイドロホン校正法が利用できる基礎データを得ることができた。
|