2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650420
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 孝雄 鶴岡工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (80280337)
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Keywords | CO_2レーザ / 赤外偏光解析 / エリプソメトリ / エリプソメータ / 薄膜サーモパイル / 高速赤外光センサ / 赤外光 / 偏光解析 |
Research Abstract |
光源であるCO_2レーザ(波長10.6μm)の放電ノイズや偏光の揺らぎのために光量変動が大きいこと、光量測定ダイナミックレンジが小さいことが明らかになり焦電素子(P3782-03:浜松フォトニクス)は高速赤外エリプソメータの光量検出器として適当でないことが明らかになったため高速の薄膜サーモパイルセンサ(ドイツFORTECH社)に着目しその線形性、再現性、高速性について実測を行った。 赤外光の背景雑音を除くために、回転式チョッパを利用し、レーザ光が通過するタイミングの光量測定値からレーザ光が遮光されるタイミングのセンサ出力を差し引いて光量測定を行った。その結果、レーザ光量か低周波から10kHzオーダまでの広い範囲の変動成分があることが判明した。また、偏光子を挿入した測定実験から、レーザの偏光状態が直線偏光状態からランダム偏光状態まで時間的に大きく変化することも確認された。このことから、光源の変動に影響を受けない特長を持つ本研究の測定原理の有効性があらためて実証された。他方、薄膜サーモパイルセンサは、応答速度1μsecの高速注をもち、測定範囲も0〜1Wと十分広く、線形性も極めて優れていることか確認された。 実際の光量測定条件としては、チョッピング周波数25Hzに対してセンサ出力をサンプリング周波数1msecで15回測定し平均したデータで1つの測定値を求め、さらにその測定値を25回平均したものを1回の測定データ(1sec/1回測定)と定義することにより、不安定なCO_2レーザの光量が再現性よく安定して測定できることを確認した。このことから、薄膜サーモパイルセンサを利用した赤外高速エリプソメータの開発について見通しを得ることができた。また、新しい知見としてCO_2レーザの赤外光パワーがkHzオーダの鋸歯状ノイズを含んでいることも実測された。
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