Research Abstract |
[1]1/f^βゆらぎにより作られた相関を有する記号列において,ある長さNの記号列のエントロピーを用いることによる,1/f^βゆらぎの複雑さの測度を提案した.本測度は,記号列の多様度を表し,長さNが適切に選択されたときに,1/fゆらぎにおいて最大となる。("A Measure of Complexity for 1/f Fluctuation,"Takeshi Saito,Masahiro Agu,Mitsuhiro Yamada,Jpn.J.Appl.Phys.)[2]Harashima等により時系列間の因果律を調べるために導入された情報の流れを用いたシステムの状態の診断法を確立するために,多変数の線形モデルを用いて情報の流れの推定を行い,系の状態を判断することを行った.(1/fゆらぎの特徴付けと情報の流れによるシステムの診断,斎藤健,安久正紘,鈴木啓之,茨城大学SVBL平成11年度一般講演会講演論文集)[3]1/f^βゆらぎにおいて情報の流れを調べ,それが1/fゆらぎにおいて最大になることから,1/fゆらぎは,情報源としての性質とチャンネルとしての性質をあわせもつゆらぎであることが分かった.1/fゆらぎの機能を探る試みとして,時系列の真似ゲーム,1/fゆらぎを用いた確率的ニューラルネットワークの組み合わせ最適化問題への適用を行い,1/fゆらぎが効果的であることが分かった。(情報の流れと1/fゆらぎの機能,斎藤健,安久正紘,第14回ゆらぎ現象研究会/東北大学情報科学研究科ICO研究会抄録集),(1/fゆらぎの機能と情報の流れ解析,斎藤健,安久正紘,鈴木啓之茨城大学SVBL平成11年度研究成果報告会講演論文集)[4]1/f^αゆらぎ時系列を発生する,簡単な回路構成のディジタル回路を考案し,その空調制御への応用に関して検討した。本回路は集積化が容易であり,D-A変換器と組み合わせることにより超小型,低価格の1/f^αゆらぎ発生器が得られる.(1/f^αゆらぎ時系列発生回路の開発とその空調制御への応用,山田光宏,安久正紘,茨城大学SVBL平成11年度研究成果報告会講演論文集)[5]白色雑音の1/2階積分,フラクタル的に分割した線分,一次元写像によるカオス等を用いて計算機で1/fゆらぎ時系列を作成し,そのフラクタル次元解析を相関積分を用いて行った結果,同一の1/fスペクトルを持つ時系列でもその発生方法によって相関積分の値が大きく異なることが分かった。(Fractal Characters of 1/2-order Integration of White Noise and 1/f Resistance Fluctuation,Hideo Akabane,Masahiro Agu and Atsushi Yoshida,Jpn.J.Appl.Phys.)
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