1999 Fiscal Year Annual Research Report
微視すべりを組み込んだ弾塑性体による進行性破壊と変形局所化解析
Project/Area Number |
10650445
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩熊 哲夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60120812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10261596)
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Keywords | 変形局所化 / 繰り返し戴荷 / 弾塑性 / 二重すべり / 進行性破壊 / 非共軸塑性 / 有限要素法 / 安定問題 |
Research Abstract |
延性材料が破壊するとき,大変形を伴いながらすべり線に見られるような局所化した変形をが数多く観察され,破断に至る.その最終状態では変形の局所化が見られるが,そこに至る過程を数値シミュレーションすることは現状では困難である.一つには,有限要素のメッシュ依存性の問題等がある.また,いったん変形が集中する要素列が現れると,その要素列のみに変形が集中してしまい実際観察されるような副次的なすべり線は追跡できない. よって本研究では,変形の局所化を速度勾配の不連続面としてのせん断帯でモデル化し,そのせん断帯発生条件を満足した後,その初期特性曲面をあたかも二重すべり面とするような第二の塑性メカニズムがさらに追加されるものと考え,変形速度を弾性と塑性と二重すべりの和で表す構成モデルを考えた.微視すべりが発生する前は,非共軸塑性でモデル化されている. そして,その構成モデルを,変形の局所化現象の標準問題として数多くの研究がある平面ひずみ引張り試験ベンチマーク問題に適用してその定量的な適用性を示した.その問題でも,大変形の局所化の進展を数値的に追跡しており,その分布も他の研究成果と定住的に合致することを示した.その結果,微視構造を反映した本構成則は変形の局所化現象をとらえることができ,またメッシュ依存性の問題が回避される結果を示し,変形の局所化現象を数値的に追跡できる可能性を示した.応用としては,古典的な押し込み問題を中心とした巨視的すべりが発生する問題を取り上げ,その適正を示した.また構造系への応用としては鋼性橋脚の繰り返し載荷をモデルとして,そのひずみの局所化を示すことができた.
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