1998 Fiscal Year Annual Research Report
定着用膨張材による各種PC緊張材の接続および定着機構に関する研究
Project/Area Number |
10650452
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原田 哲夫 長崎大学, 工学部, 教授 (50136636)
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Keywords | 膨張材 / PC緊張材 / 連続線維緊張材 / 定着 / 継手 / 定着システム / 膨張圧 / プレストレストコンクリート |
Research Abstract |
定着用膨張材を用いる定着法は、各種連続繊維緊張材のみならず、従来からのPC鋼材の定着・接続が可能である。本研究の第一の目的は、連続繊維緊張材、PC鋼材の形状、寸法にかかわらず引き抜けないための定着長を算定できる設計式を確立することにある。そこで、本年度はまず、PC鋼より線(Φ12.7)とCFRPより線(Φ12.5)について、定着具および継手からの引き抜き試験を実施した。継手は、CFRPより線とPC鋼より線との継手を取り上げた。実験では、定着時の膨張圧の大きさ、定着長・継手長(スリーブ長)をパラメータとした。膨張圧が50MPa以下では、CFRPより線、PC鋼より線の場合とも、荷重の増加にしたがって付着応力のピーク値が荷重端から固定端へ進行するが、スリーブ長や膨張圧の大きさによってその進行状況が異なることがわかった。膨張圧が100MPaでは、付着応力のピーク値は、荷重端近傍に生じるだけで、付着応力分布はほぼ弾性分布であった。またPC鋼より線の方がCFRPより線に比べて付着応力のピーク値が小さく、定着特性がやや劣ることもわかった。これらの実験結果に基づき、定着用膨張材をせん断伝達層と考えたFEMモデルを開発した。解析の結果、実験結果をうまくシミュレートできることがわかり、今後はシミュレーションによる設計定着長算定の可能性が示せた。
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