1998 Fiscal Year Annual Research Report
Green関数のスペクトル理論の展開に基づく地中深部散乱波動場の解析
Project/Area Number |
10650469
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
東平 光生 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (50246691)
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Keywords | Green関数 / スペクトル分解 / Hyperfunction / 散乱波 |
Research Abstract |
本年度は,これまでに求めたスカラー成層波動場のGreen関数のスペクトル表現をVon Neumannのスペクトル分解定理の形に帰着させる研究(応用力学論文集,日本地震工学シンポジウム論文集にて発表)および弾性体の成層波動場のGreen関数のスペクトル分解について重点的に研究を行い成果を得た.スカラー成層波動場については,離散および連続スペクトルの固有関数の直交関係式から,そのままVon Neumannが与えたスペクトル測度によるStieltjes積分を通してGreen関数が表現できることを見出した一方,3次元弾性体の成層波動場では,固有関数の直交関係式を確立することができないことにより,スペクトル表現の誘導は数学的な厳密性よりもむしろ発見法的な方法にたよらざるを得なかった.(土木学会論文集)しかしながら,最近スペクトル表現の誘導に佐藤のHyperfunctionが効果的に用いられることを見出し,現在土木学会論文集に投稿中である.これらのスペクトル表現を用いて,現在散乱波動場の解析を進めている.スペクトル表現に現れた積分と散乱場の表現のための積分の順序をたとえばFubiniの定理により交換することで,Green関数のスペクトル分解表現はダイレクトに散乱波のスペクトル分解表現につながることなどの確信を得つつある.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 東平光生: "離散および連続スペクトルの固有関数を用いた成層弾性波動場のGreen関数の表現" I-45. 171-185 (1998)
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[Publications] 東平光生: "スカラー成層波動場のGreen関数のスペクトル測度を用いた表現" 応用力学論文集. Vol.1. 585-594 (1998)
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[Publications] 東平光生: "Spectral Representation of Green's function for a Layered Scalar Wave Field" 日本地震工学シンポジウム論文集. Vol.1. 1041-1046 (1998)
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[Publications] 東平光生: "スカラー成層波動場のGreen関数のスペクトル測度による表現とその工学的応用の可能性について" 土木学会第53回年次学術講演会(平成10年10月). 共通セッション. 364-365 (1998)