1999 Fiscal Year Annual Research Report
高速道路ランプ部曲線ラーメン橋の地震時保有耐力照査法の基礎的検討
Project/Area Number |
10650473
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 助教授 (90168328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 紘士 立命館大学, 理工学部, 教授 (90066712)
児島 孝之 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066706)
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Keywords | ラーメン橋 / 耐震設計 / 地震応答解析 / 曲線橋 / レベル2地震 / 道路橋 / 地震時保有耐力 / 不当橋脚 |
Research Abstract |
近年、自動車交通ネットワークの充実を目標とし、国土開発幹線自動車道の整備が進められている。それに伴い、高速道路ランプ部やジャンクション等では、多くの曲線橋が建設されている。これらの曲線橋では、直線橋とは異なり、地震時における挙動が複雑になることが予想される。特に、曲線連続ラーメン橋の場合、その耐震設計手法がまだ確立されているとは言えない。本研究では、ランプ部曲線ラーメン橋の地震時保有耐力に関する検討を行い、適切な照査法の確立に向けた基礎的データを提供することを目的とする。 平成10年度には、曲線ラーメン橋の耐震設計手法の現状把握に努めた。実際に曲線ラーメン橋量を設計した実績のあるコンサルタント会社にアンケートを行い、耐震設計の初期段階で設定した断面が、最終的に決定された断面と、どれくらい違うのか等、設計上の問題点の洗い出しを行った。平成11年度には、曲線連続ラーメン橋の交角の変化に伴う地震応答の違いを把握するため、上部構造が異なった交角を有する橋梁の地震応答解析を行った。その結果、交角が小さくなるほど刺激係数の大きな卓越振動モードが減り、同程度の刺激係数をもつ振動モードが増える傾向にあった。また、曲線橋の振動モードは、桁部の水平面内での回転が特徴的であり、その傾向は交角が小さくなるほど顕著であった。そのため、各橋脚天端の最大変位は、交角が小さくなると、橋脚によって差が生じた。これらの結果より、曲線ラーメン橋の耐震設計にあたっては、固有値解析の重要性が高いことがわかる。交角の小さな曲線ラーメン橋では、直交する2方向に別々の解析を行うことは困難であり、全体系モデルを用いた検討が不可欠である。
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