1999 Fiscal Year Annual Research Report
人工生命技術を用いた環境にやさしい構造物設計システムの開発
Project/Area Number |
10650474
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
古田 均 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70109031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 孝史 関西大学, 総合情報学部, 専任講師 (90268334)
田中 成典 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (50268330)
広兼 道幸 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (70268332)
|
Keywords | 人工生命 / 遺伝的アルゴリズム / シミュレーション / 創発 |
Research Abstract |
本年度は、人工生命技術を構造物の設計システムに導入するための基本的枠組みとそのシステム化に関する研究を行った.本研究では、環境にやさしいということを設計で考慮するために、最適化手法に非常に柔軟で目的関数が非連続関数あるいは陽な形で表されていなくてもよいという特徴をもつ遺伝的アルゴリズムを用いているが、遺伝的アルゴリズムにおける目的関数を関数形で表すのが困難な問題も多々ある.ここでは、そのような問題の代表的なものとして、テーマパークの施設配置問題と防災計画問題を取り上げた.どちらも、多くの人がどのように行動するかを予測し、その行動から最適な施設配置を評価することが困難な問題である.そこで、ここでは人工生命技術を目的関数の設定に適用することを試みた.テーマパークの施設配置問題では、いかに多くの人が短時間で多くの施設を訪れることができるかを表現するために、ビジター一人一人を人工生物で表現し、その行動をシミュレーションし、それから目的関数値を算定した.その結果、テーマパークの規模(敷地)にかかわらず、同一のプログラムで満足のいく解が得られることがわかった.この成果は平成11年度土木学会システム最適化シンポジウムで発表した. また、防災計画策定については、同様に避難する人を人工生物と考え、いかに早く多くの人が避難できるかを目的とした.地下街を対象にシミュレーションを行うことにより、満足のいく解が得られることが判明した.問題設定によっては、人工生命技術の特徴である人工生物に非常に単純な情報あるいは特性を与えることにより、複雑な現象が生じるいわゆる創発現象が生じることが見られた.この成果は平成12年度ファジイ建築・土木応用シンポジウムに発表する予定である.
|
-
[Publications] 古田均,後藤靖幸: "遺伝的アルゴリズムとシミュレーションを用いたテーマパークの最適施設配置"第6回システム最適化シンポジウム講演論文集. 74-79 (1999)
-
[Publications] 古田、広兼、後藤、光高: "遺伝的アルゴリズムとシミュレーションを用いた地下街の避難口最適配置"第7回ファジイ建築土木応用シンポジウム講演論文集. (印刷中). (2000)