1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650476
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 基樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20261597)
|
Keywords | 液状化 / 靭性・ねばり / まさ土 / 繰返し三軸試験 / ひずみ制御 / 累積損失エネルギー / ダイレタンシー / エネルギー吸収性能 |
Research Abstract |
現行の地盤の液状化発生予測手法は,液状化が発生するかしないかの2極的な結論を出す予測手法である.しかし,阪神大震災の事例からも明らかなように,地盤の液状化による実際の被害事例を見ると,その被害程度は無被害のものから重大なものまで連続的に変化しており,2極的な被害にはなっていない.これは外力である地震動の荷重レベルおよび地盤のねばり強さが連続的に変化しているからに他ならない.特に,土の地震荷重に対するねばり強さ(靭性)に関しては,それを定量的に評価する手法がないのが現状である.このため,液状化によって急激にせん断強度を喪失するねばりのない緩い砂質土の破壊現象と,大きなひずみが発生してからも粘着力によってねばってくれる粘性土や大ひずみで剛性が回復する密な砂質土の破壊現象が明確に区別することができていない状況にある.本研究の目的は,土の地震荷重に対するねばりを定量的に評価できる手法を開発することである. 平成11年度には,まず,繰返しせん断時における土のエネルギー吸収性能が評価されたとき,このような強度指標に対する入力地震外力の評価が重要となることから,工学的基盤面の地震動が決められたとき,液状化の判定を必要とする地盤にどのくらいの地震エネルギーが入射するかを理論的に算定する方法を検討した.検討では,様々な地震動時刻歴を対象として適切な一般性のある入力地震エネルギーの予測法を示した.次に,土の排水性の損失エネルギー特性に与える影響を検討するため,従来の非排水せん断試験に加えて,排水条件下での要素試験を行った.この結果,排水時のエネルギー吸収特性が大きくなることを示した.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 風間基樹,鈴木嵩弘,柳沢栄司: "地盤に入力された累積損失エネルギーの評価法と液状化予測への適用"土木学論文集. No.631III-48. 161-177 (1999)
-
[Publications] Yanagisawa E.,Kazama M.and Kagatani T.: "Liquefaction Resistance Based on Energy Dissipation Capacity"2nd International Conference on Earthquake Geotechnical Engineering. 519-524 (1999)
-
[Publications] 風間基樹,柳沢栄司,加賀谷俊和: "靭性を考慮した土の液状化抵抗評価法の提案"液状化メカニズム・予測法と設計法に関するシンポジウム発表論文集. 503-510 (1999)
-
[Publications] 田村展明,風間基樹,豊田浩史,菅野高弘,北詰昌樹: "レキ地盤の液状化に関する一考察"第34回地盤工学研究発表会. 121-122 (1999)
-
[Publications] 山口 晶,高橋寿幸,風間基樹,柳澤栄司: "繰返しせん断を受ける粘性土とエネルギー吸収特性の違い"第34回地盤工学研究発表会. 1035-1036 (1999)
-
[Publications] 糸谷 寛,加賀谷俊和,風間基樹,柳澤栄司: "堆積環境を考慮したまさ土の液状化抵抗"第54回土木学会年次学術講演会. 212-213 (1999)