Research Abstract |
本研究では,遠心載荷装置を用いて場所打ちコンクリート群杭および鋼管群杭に対し繰返し載荷試験を実施し,杭基礎の破壊メカニズムを解明するとともに,基礎の根入れ深さ条件,軸力の大きさの変化が破壊に与える影響を調査した.また,鋼管杭については,杭頭部にコンクリート中詰を施した時の効果について検証した.現在,得られている知見は以下の通りである. ・ 本研究では,載荷点が高いため,曲げモーメントによる杭頭自由のような載荷となり,杭頭部のみならず杭中部でも破壊が進行した.鋼管杭では,この杭中部の破壊が生じると水平耐力が減少する.そのため,杭頭部の中詰のみでは,根入れの有無に関係無く,破壊を防ぐ効果は見られたが,耐力の上昇・初期剛性の向上の効果は確認できなかった. ・ 2×3の杭配列では,大変形時,前方列にのみ荷重が集中し,中列杭はほとんど荷重を支持しない.また,載荷方向と平行に多くの杭を擁しているため,載荷初期では水平載荷に抵抗し,急激な荷重上昇が見られる. ・ 基礎に根入を施すことにより,杭基礎の水平耐力は向上した.この主な原因は,フーチング部による杭基礎の回転拘束であり,その影響が大きくなると杭に作用する曲げモーメントの増加が収まる.しかし,杭頭部にかかるせん断力は増加しつづけるため,地中の浅い位置でせん断性の破壊が生じる. ・ 軸力を大きくかけることにより,軸力がプレストレスのような形式をとり,群杭の水平耐力は向上し, 破壊も軽減される.また,フーチング底面と地表面との密着度が増すため,回転拘束を受ける.
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