1999 Fiscal Year Annual Research Report
繰返し水平荷重を受ける群杭基礎の終局耐力と破壊メカニズムの解明
Project/Area Number |
10650482
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
足立 紀尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊一 京都大学, 工学研究科, 助手 (10243065)
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 助手 (20243066)
岡 二三生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10111923)
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Keywords | 杭基礎 / 群杭 / 水平耐力 / 繰返し荷重 / 有限要素法 / 弾塑性 / 場所打ち杭 |
Research Abstract |
研究者らは,平成10年度に,群杭の終局挙動を表現しうる3次元弾塑性静的・動的有限要素法の解析コード(DGPILE-3D)を開発し,水平載荷を受ける群杭の終局状態の力学挙動をシミュレートした.しかし,RC杭の軸力変動による曲げ剛性の,非線形特性に対する適切な影響評価は,未解決な問題として残っていた. そこで,今年度はRC部材のMulti-Spring model(MS Model)やFiber modelの概念を有限要素法に導入し,梁要素の釣合い式の弱形式の再定式化し,軸力変動による影響を適切に表現できる解析手法を開発した.地盤には一般応力状態での応力〜ひずみ関係を説明できるt_<ij>-clay modelとt_<ij>-sand modelを採用した.9本群杭基礎(杭径1.2m)の繰返し原位置水平載荷試験の数値シミュレーションによって,提案された解析手法の有効性が確認され,動的解析に適用した場合,杭基礎耐震評価手法の一つとして,期待できるといえる.本研究の成果は以下のようにまとめられる. 1.MS modelやFiber modelの離散化の概念を有限要素法に導入し,梁要素の釣合い式の弱形式を再定式化することによって,軸力変動による影響を適切に表現できる有限要素の梁理論を提案した. 2.軸力変動を受けるRC片持ち梁のシミュレーションより,梁のM-φ関係およびM-N関係が,単調載荷・繰返し載荷いずれの場合においても,傾向としてRC部材の終局状態の挙動を表現できることがわかった.これより,DGPILE-3Dを用いることによって,軸力変動を受ける杭の非線形特性の妥当な評価が可能となった. 3.提案した梁理論を用いた有限要素解析により,9本杭の群抗基礎繰返し原位置水平載荷試験の数値シミュレーションを実施した.その結果,荷重〜変位関係,前方・中間・後方杭の曲げモーメント分布の差異,すなわち、軸力の変動によるM-φ関係への影響が本解析より説明できることが確認された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kimura: "Seismic evaluation of pile foundation by static and dynamic 3-D finite element and analyses"11^<th> ARC on Soil Mechanics and Geotechnical Eng.. 507-510 (1999)
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[Publications] 木村 亮: "軸力変動による影響を考慮した場所打ち群杭基礎の繰返し水平載荷試験の3次元弾塑性解析によるシミュレーション"構造物の破壊過程解明に基づく地震防災性向上に関するシンポジウム論文集. 63-66 (2000)
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[Publications] M.Kimura: "Dynamic behavior of group-pile foundation by three-dimensional elasto-plastic finite element analyses"12 WCEE 2000. paper No.1409. (2000)