1998 Fiscal Year Annual Research Report
原位置透水試験による環境地盤特性の定量的評価システムの開発
Project/Area Number |
10650487
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹下 祐二 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (90188178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 伊一郎 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00025941)
廣瀬 壮一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00156712)
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Keywords | 地下水保全 / 多層帯水層 / 浸透特性 / 原位置透水試験 / ニューラルネットワーク / 逆解析 |
Research Abstract |
土壌汚染や地下水汚染に代表される地盤環境問題を定量的に評価するためには、汚染物質の移流拡散現象を的確に把握しなければならない。そのためには、これらの挙動を支配する地盤の浸透特性値の計測ならびに評価法は極めて重要である。本研究では、原位置透水試験や地下水計測データの新しい工学的な解析手法として、解析アルゴリズムに人工生命技術(Artificial Life Technology)を採用し、原位置透水試験データを現場にて迅速に解析し、従来、解析の困難であった複雑な帯水層条件下においても浸透特性を評価可能なシステムの開発を目的する。また、複数の異なるインパクトを順次帯水層に与えて、その反応を現場にて総合的に処理する原位置透水試験システムを開発し、多層帯水層における環境地盤特性の工学的な評価指針の確立を試みる。平成10年度の研究概要は以下のようである。 (1) 原位置透水試験による非定常水位計測データのパターンと帯水層条件や水理境界条件の関係のデータを蓄積するために、長さ300cm、深さ100cmの軸対称扇形の大型土槽にまる帯水層地盤モデルを作成し、揚水および注水試験の室内模型実験を行った。その結果より帯水層地盤において地下水に与えたインパクトと各層で計測される水圧変動との関係を定性的に把握するとともに最適な計測点配置等、透水試験法についての検討を行った。同時に、原位置透水試験による水位計測データのパターンと帯水層条件や水理境界条件の感度解析を飽和〜不飽和浸透流解析を用いて行い、それらの標準曲線の作成を行った。 (2) (1)で得られた原位置透水試験データの計測パターンを分類整理し、ニューラルネットワークを用いて、それらの標準曲線形状を学習・認識させることにより、浸透特性値の評価システムの開発を行った。本方法の妥当性は被圧漏水性帯水層におけるサンプルデータおよび実際に実施された揚水試験データを用いて検討した。
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