1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650490
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
北村 良介 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健太郎 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40305157)
|
Keywords | 不飽和土 / 間隙モデル / マルコフモデル / 数値力学モデル / 不飽和透水試験 / 不飽和三軸試験 |
Research Abstract |
本研究で確立を目指している数値力学モデルとは,不飽和・飽和状態での間隙水,間隙空気の運動を解析するための間隙モデル,有効応力の変化に伴う土粒子骨格の変形を解析するためのマルコフモデル,そして,斜面崩壊や土石流のような土塊の流動を解析するための流動モデルのことである.本年度は,間隙モデルに重点をおいて研究を進め,次のような成果を得た. ・間隙モデルの入力パラメータは間隙流体の粘性係数,表面張力,直方体要素の高さ,管径の平均と標準偏差,管径の傾きの分布である.粘性係数と表面張力は間隙流体の物性から決められること,管径の平均と標準偏差は,土の粒径加積曲線から決めること,管径の傾きの分布は接点角分布によって決められること,および,それらのパラメータの具体値を入力値とする数値実験によって妥当な水分特性曲線,不飽和透水係数を得られることを明らかにした. ・保水性試験と不飽和透水試験を同時に行うことのできる定常型の不飽和透水試験装置を試作し,精度の良いデータが得られることを確認した.現在は,しらすを用いた不飽和透水試験を実施中である. ・圧密現象への間隙モデルの適用を試みた.すなわち,試作した分割型圧密試験装置によって得られた過剰間隙水圧の消散過程,供試体の変形過程の結果を数値実験結果と比較・検討することにより,間隙モデルの圧密現象への適用の妥当性を明らかにした. ・不飽和三軸試験装置によって,乱した二次しらすの不飽和・飽和三軸圧縮せん断試験をおこない,Bishopが提案した不飽和土の有効応力式に含まれるχの具体値を求め,間隙モデルを用いて導かれたχとの比較・検討を行った.
|
-
[Publications] 福原清作: "水の浸透による不飽和拉状体の崩壊挙動のモデル化" 応用力学論文集. Vol.1. 757-766 (1998)
-
[Publications] R.Kitamura: "A numerical model for seepage through unsatu rated soil" Soils and Fourdations. Vd.38,No.4. 261-265 (1998)
-
[Publications] 阿部廣史: "不飽和透水試験の試作" 第33回地盤工学研究発表会. 1819-1820 (1998)
-
[Publications] 北村良介: "不飽和浸透挙動のモデル化に関する一考察" 第33回地盤工学研究発表会. 1813-1814 (1998)
-
[Publications] 阿部廣史: "鹿児島県出水市針原地区崩壊斜面の土性と保水特性" 第53回土木学会年次学術講演会(第(企)部A). 622-623 (1998)
-
[Publications] 坂本一義: "遠隔操作によるカクション,雨量データの制御,管理システムの開発" 第53回土木学会年次学術講演会(共通セッション). 6-7 (1998)