1999 Fiscal Year Annual Research Report
変性エポキシ樹脂によって固化処理された土の工学的性質に関する研究
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10650495
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Research Institution | MAIZURU NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中澤 重一 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 教授 (10300592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 正昭 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20000490)
HAZARIKA Hemanta 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助手 (00311043)
中澤 重一 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 教授 (10300592)
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Keywords | 変性エポキシ樹脂 / 遺跡の保存処理 / 固化処理土 / 圧縮強さ / 引張強さ / 透水度 / 経年変化 |
Research Abstract |
土質遺構や石質遺構からなる遺跡の恒久的保存処理剤としての変性エポキシ樹脂の活用を研究・検討した。この変性エポキシ樹脂は土などに混合された場合、土中水を取り込んだ形で硬化反応し、所定の硬化反応を経過した後、当初取り込んだ水分を急激に放出して反応を終結させるという性質を持っている。この放出反応の結果、固化体はポーラスになることが特徴となっている。したがって、固化処理土は大きな圧縮強さ、引張強さに加えて透水性を保持していることが特徴である。2年間に渡って得られた結論を箇条書きすると、以下の通りである。 1.固化処理土の圧縮強度は、固化剤の添加量と土の種類のよって大きく異り、土の種類が{S}で樹脂添加量を重量比で25%混合すると、85,000kN/m^2の一軸圧縮強さが得られ、樹脂添加量を10%と一定にして土の種類を変えた場合、{S}で34,000kN/m^2、{SF}で1,100kN/m^2、{MH}で450kN/m^2の圧縮強さが得られた。 2.引張強さは土の種類にかかわらず、その固化処理土の圧縮強さの30〜40%程度の値が得られた。 3.固化処理土の透水度は無処理土との比較で示すと、樹脂添加量が20%以下であればほぼ一定の透水度を持ち、無処理土の1オーダー低下程度である。添加量が25%を超えると透水度更に1オーダー低下する傾向が認められた。なお、この実験の過程で、固化処理土専用の透水試験装置を考案・試作した。 4.すでに、施工された遺構の経年変化を調査したところ、施工後5年程度であれば、なんら変化は認められなかった。しかし、施工後10年経過した縄文時代の土質遺構では強度的低下は認められなかったが、地衣類の繁茂が観察された。防黴剤の塗布などによって再施工したが、さらに経年変化を追跡する必要性があろう。 以上の結果をもとに施工マニュアルを作成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中澤重一: "歴史的土木構造物の保存活用とオーセンティシティー"土木学会第53回年次学術講演会講演概要集. CS. 98-99 (1998)
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[Publications] 中澤重一、他1: "地盤改良工法の開発動向と分析"材料学会第3回地盤改良シンポジウム・発表論文集. 145-148 (1998)
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[Publications] Hazarika, H. et al: "The effect of shear bond within back fill on the development of passive thrust against retaining wall"Proc. of ISOPE-99, (Brest). Vol. 1. 457-463 (1999)
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[Publications] 沢田正昭: "古代を保存する科学技術"日本機会学会「日本機会学会誌」. No.958. 646-647 (1998)
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[Publications] Hazarika, H., Nakazawa, J.: "Reduction of earth pressure by replacing localization sensitive sandy backfill with EPS geoform-A numerical Approach"
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[Publications] 沢田正昭: "文化財保存修復への新材料の応用-遺跡、遺物、石造物への応用"文化財保存修復学会第3回学術シンポジウム予稿集. 1-5 (2000)