1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650499
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清水 義彦 群馬大学, 工学部, 助教授 (70178995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小葉竹 重機 群馬大学, 工学部, 教授 (00027260)
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Keywords | 河道内樹林化 / 礫床河川 / ハリエンジュ / 地形変化 / 平面流解析 |
Research Abstract |
本研究では河道内樹林化の顕著に進む礫床河川について,(1)樹林化を産む近年の河道特性,(2)河道内樹林化の実態,(3)樹林化のシナリオ,(4)樹林化と流れ・土砂輸送との相互作用系が生み出す地形変化,(5)樹林化した状況での大規模出水時の流況評価について検討した(1)では,近年,洪水発生頻度や出水規模の低減などによって,砂州の固定化・複断面化が生じていること,断面全体がフラッシュされないがほとんどなく,一方,低水路に流れが集中することでローカルな河床低下が生じ,ますます断面内比高差を拡大していることを示した.(2)では,利根川水系渡良瀬川を調査区間に選び,ハリエンジュを対象として樹林化の進む州での面積とその占有変化を調べ,州自身の面積増加とともに樹木化領域の経年的拡大傾向を明らかにした.(3)では,ハリエンジュに注目して河道内樹林化のシナリオをまとめた.とくに,樹林化に関わる物理的な要素は州上における細粒砂層の形成であり,これがハリエンジュの平面的拡大を容易にし良好な生育環境を与えていることを示し,細粒砂層では草本類も密生して小規模出水の際に細砂のトラップを行い,さらなる比高差が産まれるものと推定した.(4)では,狭窄部下流の比較的安定した中州に注目し,そこでの樹林化が出水時の河道動態に与える影響を平面2次元計算の混合砂利礫河床変動計算から検討し,狭窄部下流の中州形成(安定的存在),樹木が繁茂することで州の河床上昇(細粒分の推積)と低水路形成(粗硫化)が顕著になることを説明している.(5)では,渡良瀬川を例として,中州・河岸砂州に樹木が繁茂した場合の流況を数値計算から評価した.ここでは,現況の樹林地密生度を参考に狭窄部前後に形成される州に樹木の効果を入れ,大規模出水時における流況変化を求めるとともに,予測計算として様々な樹木密生度に対する水位上昇分も見積もり,洪水時における移動限界礫径を推定している.
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Research Products
(2 results)