1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650508
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
名合 宏之 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00034348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 詩朗 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20157150)
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Keywords | 橋脚 / 局所洗掘 / 液状化 / 波 / 間隙水圧 |
Research Abstract |
河口付近に設置される橋脚や海洋作業台の基礎は流れと同時に波浪の作用をうける。このためこれらの構造物周辺では流れのみによる洗掘とは異なった形態の洗掘が起こり,条件によっては構造物の破壊につながる危険な状態が発生する。本研究ではこのような現象の力学的基礎を明らかにすることを目的とし,流れと波が同時に存在する場に設置された円柱橋脚周辺の洗掘特性を室内実験的に把握するとともに,その洗掘機構を「変動水圧と水中地盤の相互作用」の観点から説明を試みようとするものである。 本年度は,幅0.6m×高さ0.4m×長さ16.0mの直線水路の中央部に砂層厚0.2mの洗掘実験部(全高0.6m)を設け,円柱橋脚模型を設置し,定常流場,波動単独場および流れと波動の共存場を対象として洗掘実験を行ない,それぞれの洗掘特性ならびに地盤中の間隙水圧分布特性を測定した。その結果,波と流れの共存場では,洗掘深は定常流れの場合に較べて増加することが明らかにされた。また,急激に水圧が低下した場合には,橋脚周辺地盤中の過剰間隙水圧が増加し,それにともなって地盤の液状化が発生することが認められた。また,そのような状況下では,橋脚周辺の洗掘が短時間で急激にすすみ,水圧が低下する前の洗掘深に較べ10〜14%増加することが確認された。このような現象は本研究によって初めて実験的に確認されたものであり,橋脚の根入設計に際して従来とは異なる力学的視点が必要であることが示された。
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