1999 Fiscal Year Annual Research Report
不規則波の高波継続来襲による緩傾斜堤の被災機構に関する研究
Project/Area Number |
10650512
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 敏彦 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 講師 (20118350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 淳 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 教授 (80104131)
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Keywords | 緩傾斜堤 / 波の打ち上げ高さ / 不規則波 / 実験 / 現地観測 / 被覆ブロック / 被災 / 高波継続来襲 |
Research Abstract |
○波の打ち上げ高さに関する数値計算 本研究は、始めに浅水理論を用い波の打ち上げ高さを算定する手法を確立し、次に最大遡上高さ、波の遡上空間波形及び波先端軌跡等について実験結果と比較検討を行った。計算値と実験値との比較において、周期、波高が小さい場合は全体的によく対応しているが、周期、波高が大きくなるに従い、実験値の方が計算値より大きくなる傾向が見られた。 ○緩傾斜堤への波の打ち上げ高さ及び遡上特性に関する現地観測値の基礎的研究 著者らは、宮城県北部に設置されている1/4勾配の緩傾斜堤で、波の打ち上げ高さ及び波の打ち上げ速度の観測を行っている。この観測値より、緩傾斜堤への波の遡上特性を検討した。波浪観測地点における代表波高間の関係や波浪観測地点における入射波に対して波の打ち上げ観測波数は、かなり減少することなどが認められた。また、代表遡上高さ間の関係や代表波先端移動速度間の関係が求められた。 ○緩傾斜堤有孔被覆ブロックの安定性に関する一検討 被災に大きく関与する緩傾斜堤の被覆ブロックの安定性に関して、自然岩を模擬した被覆ブロックの爪や穴が安定性に及ぼす影響についても実験的に検討した。その結果、上部ブロックの凸部に下部ブロックの凹部を挿入して配列した爪アリブロックの安定数は爪ナシブロックに比べ2倍程度大きくなることを明らかにした。 ○不規則波造波水槽(H×B×L=0.6×0.7×20.0m)を用いて行った緩傾斜堤に関する実験結果についてのデータ解析も進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋敏彦: "波の打ち上げ高さに関する数値計算"東北工業大学紀要理工学編. 19. 155-168 (1999)
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[Publications] 沼田 淳: "緩傾斜堤有孔被覆ブロックの安定性に関する実験的研究"東北工業大学紀要理工学編. 19. 169-173 (1999)
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[Publications] 高橋敏彦: "緩傾斜堤への波の打ち上げ高さ及び遡上特性に関する現地観測値の基礎的検討"海洋開発論文集. 15. 701-706 (1999)
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[Publications] 我妻哲治: "緩傾斜堤の裏込め砂吸い出し被災に関する実験"平成11年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 140-141 (2000)
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[Publications] 岡田 大: "緩傾斜堤被覆ブロックに関する一検討"平成11年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 150-151 (2000)
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[Publications] 山中知明: "高波継続来襲時における緩傾斜堤前面の海浜地形変化に関する不規則波実験"平成11年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 142-143 (2000)