1999 Fiscal Year Annual Research Report
河口堰の運用に伴う堰上下流水域の水質変化に関する研究
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10650514
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
松尾 直規 中部大学, 工学部, 教授 (20093312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 誠 中部大学, 工学部, 講師 (50298486)
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Keywords | 河口堰 / 水質特性 / モニタリング / クロロフィルa / DO / 数量化理論 / 数値解析 |
Research Abstract |
本年度は統計学的手法を用いた長良川河口堰モニタリング資料の解析と環境境界条件の違いによる長良川河口堰上流域の水理・水質解析を行った。 長良川河口堰モニタリング資料の解析では、堰近傍の水質自動監視装置(イセくん)の水質観測データと堰管理所の気象・流量データに数量化理論I類を適用し主にクロロフィルaとDOの変化の支配因子を明らかにした。まず、平成7年〜平成9年の全てのデータを対象とした場合、特に水温と水温差(成層発達)がクロロフィルaとDOに影響を与えていることが分かった。また、季節で分けて解析した場合、4月〜6月の季節の変わり目では水温と水温差の影響が支配的となるものの、夏場(7月〜9月)は水温差の影響のみが卓越することが分かった。つぎに、平成7年〜平成9年の解析で得られたカテゴリースコアーを用いて平成10年のクロロフィルaとDOの再現計算を行った。その結果、年データを対象とした場合は、再現値と実測値が比較的良く一致した。しかし、夏場の実測値にみられる短周期の変動を再現値が十分に表せていなかった。この変動の要因としては生物活動や化学的作用が考えられ、この点の精度向上が課題として残った。 平成7年〜平成9年の8月における堰上流域の流れと水質の数値解析を行い、数値解析モデルの再現性と得られた水理・水質特性について検討を行った。これにより、クロロフィルaは流量が多く表層の流れが硫化している場合は堰直上の湛水域下流部において、流量が少なく表層の流れが風の影響を受けて遡上する場合は湛水域中流部においていずれも水温の高い表層に集積する傾向がみられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松尾直規,武田誠: "統計学的手法を用いた長良川河口堰モニタリング資料の解析"中部大学総合工学研究所紀要. 12巻. 105-117 (2000)
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[Publications] 上山雅之,中本貴久,武田誠,松尾直規: "数量化理論を用いた長良川河口堰におけるモニタリング資料の解析"平成11年度土木学会中部支部研究発表会. 219-220 (2000)
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[Publications] 藤本健一,松尾直規,武田誠: "長良川河口堰上流湛水池における流入水質特性"平成10年度土木学会中部支部研究発表会. 215-216 (1999)
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[Publications] 中根卓也,松尾直規,武田誠: "長良川モニタリング資料による河口堰上下流水域の水質特性"平成10年度土木学会中部支部研究発表会. 213-214 (1999)
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[Publications] 松尾直規,武田誠,吉田吉治: "長良川河口堰上下流域の水質特性"中部大学総合工学研究所紀要. 11巻. 139-146 (1999)
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[Publications] 吉田吉治,松尾直規,武田誠: "河口堰下流域の流動特性に関する基礎的研究"土木学会第53回年次学術講演会. 792-793 (1998)