1998 Fiscal Year Annual Research Report
社会的費用便益アプローチによる道路の最適整備水準と整備財源オプションに関する研究
Project/Area Number |
10650521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 勝敏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室町 泰徳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40251350)
原田 昇 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40181010)
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Keywords | 道路 / 社会的費用便益 / 財源 / 仙台 / プライシング |
Research Abstract |
平成10年度は、以下の3点を中心に研究を行った。 1. まず、道路整備に関する社会的費用便益アプローチのレビューに関しては、国内外の道路整備に関する社会的費用便益アプローチ、道路整備財源、道路整備水準に関連した資料を収集して整理した。社会的費用に関するD.L.Greene et al.(1997)の包括的なレポートによれば、道路交通を含めた交通の社会的費用項目(例)は、非金銭的個人費用(車の運転)、金銭的民間費用(車購入費)、バンドルされた金銭的民間費用(駐車場)、政府費用(道路管理)、金銭的外部費用(混雑)、非金銭的外部費用(大気汚染)に分類できることが明らかにされており、本研究においてもこの分類を基準とした。 2. また、道路の機能(交通・アクセス・空間)別道路整備による社会的費用便益算定の検討に関しては、各社会的費用便益のカテゴリーを整理した。特に、空間機能の社会的便益に関しては、道路法の規定する道路占用料の対象物件、占用料水準、対象地域に関して検討した。道路占用に関する市場が存在しない点、占用物件の多くは公益施設である点などが空間機能の社会的便益算定を困難にしている。 3. 最後に、研究対象とする都市圏の基礎データの準備に関しては、仙台都市圏を研究対象として選定した。データ処理速度に優れたワークステーションを購入し、地理情報システム上にデータ入力、交通分析モデル、出力用ソフトウェアを準備した。最初のシステムテストとして、燃料税の増大、(都心)コードンプライシングの導入、雇用と住宅分布の調整政策に関する感度分析を実施した。感度分析の結果、燃料税の増大、雇用と住宅分布の調整政策はほとんど交通状況に変化を与えず、コードンプライシングはある程度の変化をもたらすことが分かった。
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