1998 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトコンピューティングを用いた交通行動分析モデル
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10650524
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
秋山 孝正 岐阜大学, 工学部, 教授 (70159341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 圭一 岐阜大学, 工学部, 助手 (50303508)
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Keywords | ソフトコンピューティング / 交通行動分析モデル / ファジィ推論 / ニューラルネットワーク / トリップパターン / 活動時間配分 / 時間空間的制約 |
Research Abstract |
本年度は初年度であるので、時間的な活動配分モデルと交通行動パターン分析モデルの構築を基本として、交通行動分析モデルの中心的部分の構成を検討した。具体的な内容は以下の通りである。 1. 従来のファジィ推論やNNを用いた知識利用型の交通機関選択、交通経路選択モデルの整理を行い、ソフトコンピューティングの各モデルの有効性を検討した。これによりモデリングの意味づけに対応した交通行動の各局面を推計するサブモデルとして、各方法の具体的な応用可能な局面が整理された。 2. パーソントリップ調査(PT調査)を基本として、人間の認知に内在するあいまい性を考慮した調査方法を検討し、活動スケジュールに関する小規模の関連調査を実施した。PT調査結果からはトリップパターンの解析を行い、活動調査からは主として活動時間配分(スケジューリング)の意思決定過程を解析した。 3. 人間の活動時間配分と交通行動パターンを表す、6種類のサブモデルをもつ基本モデルを作成した。このときファジィ推論はあいまいな人間判断の記述に有効で、NNは高度な非線形関係の表現に適することを考慮した。具体的には、既存方法とファジィ推論とのハイブリッド型モデルを考え、推計精度の高い精緻なモデルが構成できた。 4. 各サブモデルを統合して、時間空間的制約(いわゆるプリズム制約)を考慮した交通行動モデルを構築した。このとき、個人属性・地域特性を考慮して意思決定ステップを規定し、属性グループごとの判断の相違をサブモデルにおける推論ルール構成の相違として表現した。さらにモデル全体を統括するためのサブモデルの相互関係についての処理プロセスをファジィ推論により記述した。 5. 対象地域居住者のトリップパターン変化や交通政策実施時の交通行動変化を視覚的な交通計画情報とするための計算機上での表現形式を検討し、ビジュアルな交通政策評価システムの中心的部分を構成した。
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[Publications] 秋山 孝正: "ソフトコンピューティングの交通行動分析への適用について" 第14回ファジィシステムシンポジウム講演論文集. 829-830 (1998)
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[Publications] 水谷 香織: "ファジィ推論の時空間制約下の交通行動記述への応用" 第14回ファジィシステムシンポジウム講演論文集. 831-832 (1998)
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[Publications] Takamasa Akiyama: "Applications of Fuzzy Neural Network to Travel Behaviour Analysis" Presented Paper,The 8th World Conference on Transport Research. (1998)
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[Publications] 坪井 兵太: "ファジィ・ニューラルネットワークを用いた経路選択行動のモデル化" 土木計画学研究・論文集. 15. 509-516 (1998)
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[Publications] 高羽 俊光: "ソフトコンピューティング手法を利用した交通行動分析モデル" 平成10年度研究発表会講演概要集,土木学会中部支部. (1999)
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[Publications] 高羽 俊光: "ファジィ時空間制約を考慮した交通行動分析" 第6回ファジィ建築土木応用シンポジウム講演論文集. (1999)
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[Publications] Takamasa Akiyama: "Description of Travel Behaviour by Soft-computing Techniques" 岐阜大学工学部研究報告. 48. (1999)
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[Publications] 秋山 孝正: "ナビゲーションのためのファジィ交通行動分析" 日本ファジィ学会誌. 11,2. (1999)