1998 Fiscal Year Annual Research Report
信号交差点における飽和交通流率の変動の基本特性に関する研究
Project/Area Number |
10650531
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鹿田 成則 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30094270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 敬 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90281245)
片倉 正彦 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60152675)
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Keywords | 信号交差点 / 交通容量 / 飽和交通流率 / 車線幅員 / 車頭時間 |
Research Abstract |
信号交差点の交通容量研究の主体は飽和交通流率にある。本研究の目的は、実測データによる飽和交通流率の変動分析の結果に基づいて変動要因を明確にし、飽和交通流率の基本値見直しの必要性及び新たな渋滞対策への可能性を提案することである。 平成10年度において、東京都内およびその近郊における信号交差点の飽和交通流率の変動分析を実施した。飽和交通流率の実測データの収集を行うために,飽和交通流率の基本要因である交差点流入部の車線幅員に着目し,既存の実測データで欠落していた3m未満の狭車線幅員(2.3〜2.8m)を有する交差点を含めて選定し観測を実施した。観測は、交通流の再現が可能で交通流の状況を判読できるデジタルビデオカメラを用いて行った。飽和交通流率の変動分析に使用する流入部停止線通過時の車頭時間データの収集は,本年度補助金で購入したデジタルビデオデッキ,パーソナルコンピュータ,データ収集ソフトウェアを用いて行った。 本年度の分析で得られた結果は以下の通りである。 (1) 従来の実測値は十分なデータ数が確保されていなかったという点で飽和交通流率の値の信頼度に問題があるものが少なからず存在していたが,本研究において十分信頼にたるデータ数に基づいた飽和交通流率の値を得ることができた。 (2) 本研究で得られた飽和交通流率の値は1600〜2200台/青1時間であり,非常に大きな変動があることが示された。飽和交通流率の値が一定ではなく地点によって変動すると考えるべきであることを示した。 (3) 特に,狭車線幅員の飽和交通流率は標準車線幅員と比較して低い値を示し,狭車線幅員の影響が大きく存在することを示した。
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